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マチの、映画と日々のよしなしごと

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梅田ガーデンシネマ閉館に思う

「ハンナ・アーレント」上映劇場の梅田ガーデンシネマがとうとう2月末で閉館。
恵比寿ガーデンシネマが閉館になった時点で、ミニシアター系映画館の運営が難しいという声を耳にするたびに、ゆくゆくはここもと思っていたけれど、とうとう……です。
ミニシアター系の秀作を次々と提供してくれていた、大阪では数少ない映画館だっただけに残念です。
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上映前のスクリーンで見慣れていた「ヘラルド」のロゴが、いつの間にか「角川」に変り……吸収合併の中で運営会社が次々と変ってゆき、ミニシアター系の作品上映も段々と難しいご時世なんでしょう。
そうそう、 「ブロークバック・マウンテン」は、オスカーがどうのと話題になる前から梅田ガーデンシネマで上映予定で心待ちにしていたのが、アカデミーでアン・リー監督が監督賞を受賞し話題になるや否や、同じ梅田にあるターミナルからも近い大手シネコンでも急遽の上映。
そんなんされたらミニシアターは堪らんよね!

それでも「セッションズ」は一日一回だけの上映ながら上映延長してくれている。 「ハンナ・アーレント」もアンコール上映してくれたおかげでスクリーン鑑賞できた。

空中庭園のあるスカイビルの4階にあった梅田ガーデンシネマ。
閉館後は3階にあるテアトル系のシネ・リーブル梅田が増床され、3月以降の配給作品はシネ・リーブルとして上映される。
このシネリーブル梅田ももともとは日活の直営映画館だったのが、東京テアトルと業務提携し運営はテアトルに。そのおかげで上映作品も変り、それまでは断然梅田ガーデン・シネマだったのが、シネ・リーブルに行く回数も増えたのだけれど、なんか癪だなって気持ちになる。

梅田ロフトのB1にある関西で唯一のテアトル系映画館「テアトル梅田」もゆくゆくは増床を機にシネ・リーブル梅田に一本化されるんではないでしょうか。


大阪でミニシアターの双璧をなすといわれる「シネ・ヌーヴォ」も「第七藝術劇場」も、問題作やヨーロッパ映画の秀作、監督特集などずいぶんとお世話になったのだけれど、最近は観たいなぁと思う上映作品がなくってご無沙汰続き。

10代の頃は、まず東京で封切りされる新作映画が大阪で公開される日を待ち焦がれ、お小遣いが心細い時はじっと我慢して、場末の映画館で2本立てや3本立てで上映される時を待ち焦がれ、恋人に会うようなトキメキで映画館まで足を運んだのは遠い昔の若い頃。

今では大阪の中心地・梅田には主要駅を中心に円を描けば、その線上にシネコンが3つもあって、世界同時上映も当たり前で、3つのシネコンで同じ作品が同時に上映されているということもある。
おまけに郊外にも大型商業施設に併設してシネコンがある。
観る側にとっては選り取り見取りの昨今の映画館事情。

お手軽すぎて、かつての”恋するシネマ”も世間ずれして色褪せるような……。
それとも恋焦がれるほどの素敵な映画が少なくなった?

それでも「セッションズ」そして「ハンナ・アーレント」といった胸にずしんとくる映画が上映されると、やっぱり映画から眼が離せません。
いやぁ、映画ってとっても素敵で特別なもの!
映画に賭ける映画作家たちの熱き魂をしっかと受け止め、映画に対するこの思いだけは大切にしていきたい。

Machi。
by machiiihi | 2014-01-31 00:00 | 映画
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