先週末に観た「キャロル」がとっても良くって、
この情感あふれる余韻を損ないたくなくってスルーしていた映画「スティーブ・ジョブズ」。
余韻の賞味期限も切れ、
おウチの宿題だった雛様も出したところで、
さっさか掃除を片づけ、
間に合えば12:30からの「スティーブ・ジョブズ」を、
タイムアウトなら別の劇場で公開の14:15からの「SHERLOCK/シャーロック忌まわしき花嫁」見るかで、11時30分過ぎには家を出て駅までダッシュで自転車を走らせる。
いい具合に地下鉄がもうすぐ発車。
ロスの無いこのスタート。
さっさか歩いてJR大阪構内を突き抜けて、スーパー「イカリ」でペットボトルのお茶買って、「ルクア」の横をたったか歩いて、いつもならずっとずっと待ち続けるエレベーターも、この日はドアが開いた直後で、さぁどうぞで「スティーブ・ジョブズ゙」公開の劇場がある11階まで。
10分前に座席にご到着(拍手)
例によって前置きが長くなってしまった。
さて、映画。
いやぁ~良かった!
最後は胸をキュンキュンさせられるし、
iPodのオチにはニヤリとさせられるし、
この映画、観ないことには始まらない。
マックもアイフォンも使ってみないとわからない、ってな感じでね。
といっても、私、アイフォンは使っているけど、PCはマックユーザーじゃなくって、マックを横目で眺めながら、文書作成が主なもんで、汎用性、互換性のあるウィンドウズをシコシコ使ってますけど。
のっけから機関銃みたいにジョブズ氏が、いや、ジョブズを演じるマイケル・ファスベンダーがまくし立てる。
いやぁ、この疾走感はダニー・ボイルだねぇ。
ダニー・ボイル監督の、あの言いたいことが頭の中でウズウズまいていて、それを早口で一気にまくし立てる、彼の語り口調そのままのこのスピード感。
「トレインスポッティング」のあの威勢のいいオープニングを思い出してね。
きっと、こないな感じで、彼は周囲を振り回し、疲れさせ、そして自ら立ち上げたアップル社から放逐させられたのねぇと、納得しきりでまたまたニヤリ。
彼が何者で
アップルって何で
ここはなんの場面か、これは何の発表会で、
この人たちはどういう相関関係にあるのか、
そんな説明なんか一切無しで、
カメラが彼がいる現場に入って、そこで動き回る彼を撮り続けてるっていう風な、ドキュメンタリータッチとも言うべき映像。
っていうか、スティーブ・ジョブズを語るには、彼という人間を描くには、彼にまつわる説明や修飾語は一切無意味だってことが、観ていて良くわかる。
これこそがスティーブ・ジョブズ
この映画そのものがスティーブ・ジョブズ
彼のこだわり、彼の、0.1ミリの誤差も妥協も認めない、「モノ」に対する徹底した、彼そのものともいうべき感性が、とってもシンプルにストレートに伝わってくる。
そんな彼にとことん付き合う、仕事上の女房役とも言うべきケイト・ウィスレット演じるジョアンナには思わず声援を送りたくなる。
予告映像をチラッと見ただけで、マイケル・ファスベンダー以外に誰が出ているのかって、なにも、最近の私はそういった予備知識無しで観るものだから、ずいぶんと達者な女優だわって思って見ていて、途中で気がついた。「彼女?!」って。
ここ数年間の「女!」っていう役どころから見事に脱皮!
彼女もいい味のある女優になっていくわねぇ。
きっと。
スティーブ・ジョブズの、あの、犬も食わぬ、そして誰でもない彼そのものがシンボルとも言うべきオーラのある彼を演じきれる役者といえば、マイケル・ファスベンダーでしょう。
顔立ちも似ているしね。
切れ味のいい冷たく光るナイフを思わせるシャープさと、それでいていろんな表情をみせる彼の瞳もまた魅力。
横道それるけど
映画の中ででてきて連想してしまったけど
ジョン・レノン…スティーブ・ジョブズ…マイケル・ファスベンダー…デヴィッド・ボウイって横顔並べたら似ていない?
醸し出す雰囲気が同じと思わない?
娘リサとの絡みに、人間らしい弱さも垣間見せ、
この映画そのものがスティーブ・ジョブ。
ただ、この映画
わかる奴にはわかるだろうけど
わからない奴には、どない説明してもこの映画の良さはわからないでしょうねぇ。
まぁ、そういう人は最初から観ないでしょうけどね。
私、時間あったらもう一度観てみようかなって思っている。
ビル・ゲイツって商売人だけど、スティーブ・ジョブズってアーティスト。
そう思えるこの映画。
Machi。