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マチの、映画と日々のよしなしごと

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豊田隆雄・著「本当は怖ろしい韓国の歴史」

高校時代、世界史の授業がやたらめったら面白かった。
歴史を語る先生の活劇弁士も負けるくらいの熱弁と、落語家の如き滑らかな語り口でもって、大陸を縦横無尽に駆け巡り、さながら大スペクタルシーンを見ているようで……
先生は本当に歴史が大好きで仕様がなかったんだろうなって思う。
生徒であった私は先生の話を聴くだけで大いに満足してしまって、それ以上に世界史を勉強するところまでは行かなかったのは不覚。

著者である豊田氏は現役の高校教師だとか。
たぶん世界史の先生だろう。
授業もきっとこの本同様に面白いだろうなって思う。
読みながら高校時代の世界史の授業を懐かしく思い出した。



ノンフィクション作家の立花隆氏が、「見かけも作りも安っぽくていかにもお手軽な本なのだが、読み始めると、結構内容はちゃんとしていて、面白い。史実も押さえるべきところはおさえてあるし……」と本書について評されていたのに興味がそそられた。

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韓国映画の、とことん描く、本音で迫るってところが結構新鮮でお気に入りなのだが、それがテレビドラマとなると、特に歴史ドラマ、宮廷ドラマに顕著なんだけど、途中まではそれなりに面白いのだけれど、はなしがすすむにつれ王座をめぐ奪い合い、白も黒と塗りたくってのなにがなんでもの感情垂れ流しの血みどろのぶつけ合い、短絡的かつ頑なな登場人物たちに辟易し、見続けるのも疲れてしまうこともある。
「恨」の民族と言われるだけあるわってつくづく思う。
こういうドラマを作り、それを観る韓国の人ってどんだけタフなんだとも思う。
近くて遠い国。
イメージだけで知っている気になっているけれど、その実あまり知らない彼の国。
朝鮮半島が辿ってきた歴史を通して韓国を知るのも悪くはないなと、本書を読む。


アジアの歴史を俯瞰した本書。
とっても読みやすくって、高校の歴史の教科書(私が高校生だった頃の教科書ね。今の教科書の記述レベルがどんなのかは知らないから、この例えはあってないかもしれないけど……)にもう少し書き手の鋭い突込みが入ってあって、それがスパイスとなってとっても読みやすいし、かつ面白い。


日清・日露戦争なんて、今では言葉だけは知っているけれど、勃発までの経緯や原因などは頭の中で霧散していたけれど、そうだったのねって認識を新たにする。
そうやって韓国は生き延びてきたのねって思う。


巻末の著者略歴を読むと、
著者は現役の高校の教師。
学生時代の専攻は東アジア研究。
韓国人留学生や中国人留学生から歴史に関する議論を挑まれた経緯から、正当性を得る為に書物を読み漁り、日本の歴史に関心を持つようになる。
「歴史を知るなら、最後は史料」がモットー。
とある。


史料を読み込んで消化し血肉となった上で本書を書いたのだろう。
滑らかで秋させない語りから十分にうかがえる。



「おわりに」で著者の豊田氏が書いている言葉を掲載する。
………筆者が本書を執筆するにあたって、日韓の関わりを改めて振り返ってみて分かったのは、日韓併合から現在までという期間は、わが国と彼の国との関係の歴史において、ほんの断片に過ぎないということだ。
「相手を理解した」と言い切るには、あまりにも短い。だからこそ、学ばなければならない。
……韓国の歴史は漢民族の侵入と、中国への服従の歴史である。日本のそれと比べてみるとあまりにも波乱万丈だ。大陸の勢力図が変るたびに抜け目なく頭を下げる相手を変え、機嫌をとろうと貢物を送る。それでも攻められれば島に逃げ出して、地の利を頼る。
日本との関係も利害関係が絡み複雑怪奇だ。友好関係を築いた渤海や百済のような国もあれば、倭寇を野放しにしているとして攻め込んできた高麗のような国もあった。
本書に書いた日韓の関係は、長年の友好国とは言えないものの、数百年の因縁がある敵同士という表現も当てはまらない。むしろ変っていくとしたら、両国の往来が楽になったこれからではないだろうか。私自身は、韓国で親切な韓国人にたくさん出会った。


第一章 神話の歴史と古代国家の成立
第二章 統一王朝 高麗と外敵の襲来
第三章 朝鮮出兵と李氏朝鮮の盛衰
第四章 日韓合併 日本の一部となる
第五章 国家分断 戦後の朝鮮半島



俯瞰的だけれど、こうして新たな視点で韓国そして日本を振り返ってみる機会となった本書。
是非一読を!




Machi。

追記
よく似たタイトルに、著者の苗字も同じで間違えやすいけど、豊田有恒氏の「本当は怖い韓国の歴史」(祥伝社・新書)ってのがある。
こっちは未読でなんともいえないけれど、別物です。
参考まで。






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by machiiihi | 2017-03-15 10:42 |
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