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マチの、映画と日々のよしなしごと

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カテゴリ:本( 24 )

原田マハ著「ジヴェルニーの食卓」

先日見に行ったデトロイト美術館展のビデオ映像で、竹中直人さんと一緒にゲストとして出てらした原田マハさん。彼女の画家に対するコメントの一言一言がいい感覚しているなって印象を受け、彼女の著作リストをアマゾンでチェック。
タイトルに惹かれてクリックしたのが本作。
この作品って直木賞候補にもなったんですね。


ジヴェルニー
画家クロード・モネが定住した地「モネの家」があることでも知られている。


私って、受賞作とか候補作、話題作ってところで読む本を選ぶ方でないので、原田マハさんの小説も今回が初めて。
ふとしたきっかけのような、作家とのこんな出会いのほうが私には面白いと思う。
素晴らしい作品には賞味期限も旬もないから、出会う時期がリアルタイムでなくっても私のアンテナにかかったと時が私にとっては読みごろ。
こうして私と作家との新しいお付き合いが始まる。


「ジヴェルニーの食卓」
4編の物語集
最初の一遍はアンリ・マティスを描いた「うつくしい墓」
マティスンの絵の様に
デトロイト美術館展で私がとりわけ気にいったマティスの絵「窓」を彷彿とさせるような描写。
カーテンを羽根のように優しく撫でるように、舞うように、風が、明るい陽光を運んでくるような、そんなマティスの絵のように、慈しみ、愛しむように、マティスという画家に作家の言葉で触れた一遍。


画家を語る言葉の一つ一つが美しく、画家との触れ合いのひと時は、今夏のこの暑さを忘れさせてくれるような……
作家の紡ぎだす言葉一つ一つを慈しむように味わっていきたいと思う。

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「この世に生を受けたすべてのものが放つ喜びを愛する人間。それが、アンリ・マティスという芸術家なのです」(うつくしい墓)。「これを、次の印象派展に?」ドガは黙ってうなずいた。「闘いなんだよ。私の。――そして、あの子の」(エトワール)。「ポール・セザンヌは誰にも似ていない。ほんとうに特別なんです。いつか必ず、世間が彼に追いつく日がくる」(タンギー爺さん)。「太陽が、この世界を照らし続ける限り。モネという画家は、描き続けるはずだ。呼吸し、命に満ちあふれる風景を」(ジヴェルニーの食卓)。モネ、マティス、ドガ、セザンヌ。時に異端視され、時に嘲笑されながらも新時代を切り拓いた四人の美の巨匠たちが、今、鮮やかに蘇る。語り手は、彼らの人生と交わった女性たち。助手、ライバル、画材屋の娘、義理の娘――彼女たちが目にした、美と愛を求める闘いとは。『楽園のカンヴァス』で注目を集める著者が贈る、珠玉のアートストーリー四編。<アマゾンサイトより>


マチ。
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by machiiihi | 2016-08-08 11:04 |

麻生圭子・著「京都早起き案内」

学生時代は京都に住んでいながら、
住んでいたというよりも、
単に京都のとある場所で寝起きしていただけだった学生時代の数年間。

大阪とは決定的に違う、日本中の何所とも違う「京都」という町に対する憧れを抱きながらも、京都なんか知らねぇよって、18歳の頃の私は世間知らずにも、素直じゃない上から目線で嘯いておりました。
家を離れての下宿生活に憧れていたけれど、通えなくも無い距離圏で下宿などもってのほかで、入学当初は大阪から京都まで通っていたものだから、前期の試験中は試験勉強を名目に親を黙らせ先輩の下宿に転がり込ませてもらっては、下宿ムードを味わっておりました。

今時の学生だったらマンション住まいなんでしょうけど、当時は、6畳一間で廊下に共同トイレと炊事場のあるっていうのが下宿アパートの専らで、電熱器と電気ポットと電気コタツが学生の三種の神器。そこに加えてトランジスターラジオを外せない必需品。レコードプレーヤーなんて皆が皆持っているって訳ではなくって、持ってる人の部屋に上がりこんでは楽しんでいた。
だからもあるんでしょうね。
今から考えると、ジャズ喫茶や、店内でかける音楽にこだわる喫茶店はだから人気があったんだろうねぇ。

試験勉強と称して転がり込んでた先輩のアパートは北山通りにあって、夜はクーラーのきいた喫茶店で一応勉強してた。その喫茶店は奥の部屋に大きなダイニングテーブルがあって、それがお気に入りだった「オーク」って名前のお店。
オーク、樫の木で作った長テーブルと長椅子が名前の由来だとか。
通りをはさんだ向こう側は植物園。
ずっと、ずっと前に変ってないかなって訪れたら変ってて、世間に媚びて都会的に、普通になりすぎていたような……。
今もあるかどうか知らない。

京都御所の東側、梨木神社近くで寝起きしていて、
付き合っていたカレだの先輩だのが、宝が池だの、上賀茂神社近くだの、銀閣寺道や百万遍だのあちこちにいたから、あちこちウロウロしていたけれど、思い出すのは上賀茂神社のバス停で、バス待ちながら食べてた、焼きたてのお焼き餅とか、ちょっと贅沢して買ったスグキだの、百万遍の交差点近くで店出してたフルーツ入りのアイスキャンディが美味しかっただのとか、そんなんばっか。

ったく、
豚に真珠
猫に小判 ってこういうのかしらね。

きっと、あの頃はそういう年頃ではなかったということでもあるんでしょうね。

ようように、
京都の小路を歩いてみようか
お寺さんめぐりをしてみようか
そんな気になってきた。
なんと言うことはない、
歩いては、ちょっと立ち止まり、
京都って、ちょっと横道に入ると、人が通っていないというだけでなく、時間が止まったかのような、そんな静かな空間が味わえる。
疏水…
柳の木…
石畳…
格子…
時間が流れても変らずそこに留まってあり続けるものがそう感じさせるのかしらね。

そういう時、所に自分を置いてみる
一人だけのお楽しみ。
そういうのって悪くはない。

そういう楽しさを共有できるのが麻生圭子さんの「京都早起き案内」

読みながら、ああ、あそこのあそこねって 頭の中で地図と風景を描いてみる。
といいんながら元来の方向オンチの地図オンチなもんで、「あそこ」と「ここ」がジグソーパズルのピースのまま頭の中で転がってるもんだから、地図に当てはまっていかないという地図オンチの悲しさよ。


もっと年取って、
夫も亡くなって(女って自分が先に死ぬことは考えないのよね)、
まだまだ足腰健康だったら、
京都のお気に入りをぶらぶらするのもいいわねぇと思ってるから、
この本片手に彼女が歩いた道をたどって、
そこから私のお気に入りのネタを仕込んでおくのも悪くないわねって目論んでる。

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「京都早起き案内」2013年刊行・PHP新書
カバーそでに書かれている内容紹介↓
早起きは三文の徳。ラジオ体操のように、京都を歩く。穴場は朝の数だけ見つかります。)
東京から京都へ移り住んだ著者は、よく「穴場を教えてください」とたずねられるが、簡単には答えられないという。なぜなら場所よりも「早朝に勝る穴場なし」だから。掃除したての、昼間とは違った清々しさ。人目にさらされていない、初々しさのある時間帯。下鴨神社や東寺――有名なのに、そこには誰も知らない自分だけの空間があるかもしれない。)
早起きをすれば、旅行者の限られた時間を有効に使うことができる。人ごみが苦手な人にとっては、お気に入りの場所を見つけるいい機会でもある。著名な神社仏閣だけでなく、魅力的な通りや池なども紹介。
Machi。
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by machiiihi | 2016-02-24 11:10 |

ミレニアム4 下巻を読み終える

面白かったです。

リスベットが、今まできっと隠し続けていたんでしょうね。
彼女が本来持っている優しさや正義感が、今までだったらそっぽ向きながら、木枯し紋次郎みたいに「あっしには関わりのねぇことでござんす」って言いながら……って風だったけど、ちょっと正面むき出してきた?かなって。
それと、
ちょっと言葉も多くなったかな?
って。
そんな風にも思えるところもあるけれど

それと
登場人物に語らせるってのも、もうちょい頑張って欲しかったなって思うところもあったけど

総じて
Good!
面白かったです。


きっと
これもそれも、

小説「ミレニアム」の生みの親であるスティーグ・ラーソンの設計した構想が揺るぎないものだったからでしょうねぇ。

ミカエル・ブルムクヴィスト
そして、そして我らが愛すべきリスベット・サランデル
そして彼らをとりまく人々
そして
ラーソンがこの小説を通して、リスベットの怒りを通して描こうとしたテーマ、いや、伝えようとしたメッセージ。
こうした、物語のベースが揺るぎなく確固としたものだったからでしょう。

次はどんな暗部にメスを入れていくのでしょうか。
次回もきっとあるでしょうから、楽しみでもあります。

Machi。
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by machiiihi | 2016-02-12 10:26 |

本『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女 上巻」

ほ~っ
遅ればせながらですが、
ミレニアム4 上巻を読み終えたところ。
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このため息は、
逸る気持ちを抑えて、息を詰めるみたいに事の成り行きをじっと観続けて、見続けて……
そして、
あん
いいところで
「続く」
で、
ふ~っと、詰めていた息を一つ入れたのが「ほ~っ」
早く下巻を読みましょう~。


前作は全世界で大ベストセラーとなり、TVドラマや映画作品も多いに話題になった「ドラゴン・タトゥーの女」「火と戯れる女」「眠れる女と狂卓の騎士」の三部作。

→スウェーデン映画「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」
→リメイク版ハリウッド映画「ドラゴン・タトゥーの女」

原作者はスウェーデンのジャーナリストであり作家でもあるスティーグ・ラーソン。
2004年に出版社と契約するも同年に心臓発作により出版を見ることなく他界したことも話題になった。
ラーソンは10部作を予定していてすでに5作目までは考えていたとか。
ただ、相続でちょっとごたごたしてるってことも当時話題になっっていた。


そのミレニアムシリーズ。
続篇である4が昨年末に刊行された。
作家は亡くなったスティーグ・ラーソンから、ダヴィド ラーゲルクランツに引き継がれての今回の続編。


違う人間がミレニアムを執筆することには賛否両論があるだろうけど、
私はミレニアムに対してはコアなファンでもないから
私としては、リスベット・サランデルと雑誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエル・ブルムクヴィストが、次にどんな事件に巻き込まれて、活躍(って表現でいいのかな?)するのか、
そっちの興味の方が強い。
作家というか、彼らを見続ける人間が変れば、視点も描き方も変るだろうけれど、
でも彼らが関わっていく内容ってのは絶対に面白いんじゃないかな。

続篇にあたるミレニアム74については、そんな期待の方が大きい。
上巻で出揃った材料が、下巻ではどんな風に絡みあい、どんな展開が待っているのか……
どんな伏線が現れるのか……


下巻行きます!


Machi。
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by machiiihi | 2016-02-08 15:53 |

ピエール・ルメートル著「天国でまた会おう」

読み終わったのではなくって、上巻の半分まで読み進んだだけなんですけどね。
物語ののっけから、どんな展開になるんだろうと、ワクワクしながらも、じっと成り行きを見続ける、いや、読み続けています。


「その女アレックス」で、まさに、アレックスという女性が、章を追うごとに異なる様相をみせる。
まさに「その女アレックス」
大逆転ミステリーとかどんでん返しとかって言うよりも、読み手の常識、イメージが章が変るたびにビリビリと剥がされていく。
いや、カミーユ・ヴェルーヴェン警部がアレックスの悲劇を闇の底から掬い上げる。
そのアレックスの事件に関わる数年前、カミーユ・ヴェルーヴェン警部が関わる猟奇殺人事件と彼を襲った悲劇を描いた「悲しみのイレーヌ」。

殺人事件を描いた内容であるにもかかわらず、人生の機微を知った者が醸し出せる味わ深ささえ覚える、フランスの遅咲きの作家ピエール・ルメートルの作品にすっかり嵌まってしまって、三冊目に読んだのが「死のドレスを花婿に」。
これは面白かったけど、ちょっとこじつけっぽい所が感じられて、「悲しみのイレーヌ」から「その女アレックス」に行く途中段階の作品かなっていう印象を受けた。
で、勝手なもので、そろそろどんでん返し的展開ももういいわって思っていたら、次に手にしたこの「天国でまた会おう」は、今までの3作とは異なる様相。

おっ!と嬉しくなった第一印象。
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時は第一次大戦終結直前の1918年11月。
塹壕戦真っ只中から物語は始まる。
一番の主人公とも言うべき兵士アルベール・マイヤール。
そして彼を救ったもう一人の兵士エドゥアール・ペリクール。
裕福な家庭に育ち画才に恵まれた彼だが、塹壕戦の真っ只中で生き埋めになっているアルベールを救ったために砲弾で顔が破壊されるほどの重症を負ってしまう。
そしてこの二人と深く関わるプラデル中尉。
とりわけ戦場でのプラデル中尉の卑劣な行為を知ったアルベール<そのために生き埋めという災難にアルベールは襲われるのだけれど>は、またしても一生立ち直れないほどの恐怖を彼によって味あわせられるようだ。

ざっくり言うと、戦後を生きるこの3人のドラマなのだけれど、やはり読み手の予想を覆すような、思いもよらない、事実は小説よりも奇なりと言わせるほどのドラマを、この作品で描きあげてくれそうな、そんな予感をじわじわと感じながら、目下、ちびちびとではあるけれど夢中で読み進んでおります。


Machi。
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by machiiihi | 2016-01-20 10:39 |

ピエール・ルメートル著「悲しみのイレーヌ」

「週刊文春2014年ミステリーベスト10」堂々1位! 「ミステリが読みたい! 」「IN POCKET文庫翻訳ミステリー」でも1位の「その女アレックス」ですっかり嵌まってしまったピエール・ルメートルの作品。

「その女アレックス」の刑事たちの物語はここから始まった。
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しかし、
新春早々なんという本を読むんでしょう。
でも読み始めると夢中で読んでしまった。


作中に登場する犯罪小説で、映画化された「ブラック・ダリア」や「アメリカン・サイコ」もう一度観たくなったなぁ。
この本読んでから映画観たら、また違う見方が出来るかも。


Machi。


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by machiiihi | 2016-01-08 14:58 |

木内昇さん、そして「地虫鳴く」

木内昇さんの「新撰組裏表録 地虫鳴く」をもう一度読み返している。
最初に読んだ時は、薩摩だの長州だの幕府だのといったちょこまかした動きなど斜め読みして、新撰組のそれぞれの動きを速足で追いかけたに過ぎなかったので、もう一度じっくり読み返している。

木内さんの、とりわけ新撰組を扱った作品を読んでいると、それぞれに語らせているセリフに、彼女の個々の人物に対する洞察力の鋭さ、深さ、いやそれ以上に一人の人物像を生き生きと動かす彼女の想像力の豊かさに感服する。
いや、彼女のモノを見る、あるいは判断する物差し、そこから紡ぎだされるセリフの一つ一つが、私のツボにすぱっと嵌まる。

例えば……
新撰組にあって、土方直属で隊士の動向調査や情報探索の任についていた山崎が、同じく新撰組の尾形に向かっていうセリフ。
「いい人て、それがなんの役にたちますのん。だいたい世の中のほとんどがええ人でっせ。そいつが権力欲しさに無茶しよるから難儀なんですわ。こうな、ええ悪人がおったほうがビシーッと収まりまっせ」
「悪人?例えば勤王激派のような?」
「善悪いうんは、敵味方とちゃいます。悪人いうたらあんなしょぼいことはしませんよってに。わいわい騒いどるうちは別段怖いことないんです。それに京の焼き討ちだの天誅だの、やろうと思えばそこらの子でもできまっせ。ただしょうむないからみなせんだけです。あんたかてそうでしょう」
「ああいう連中も、まあいい人の範疇やな。ほんまの悪人は、せやなぁ……」
「土方先生みたいな人ですわ」
「ああ、そいからあの坊。沖田はんも悪いやっちゃで」


そして、
その沖田総司が、新撰組にあって鬱屈としたものを内に抱えている阿部十郎に向かっていうセリフ
「土方さんは、どうも厳しすぎるからねぇ。人の好き嫌いも激しいしね。そいつぁ武州にいた頃から一緒なんだ」
「でもまぁきっと、局を強くしたんだね。だから、許してやってよ」
「許す?」
ずっと前のことさ。すべてを認めて受け入れる必要はないけど、禍根を残すのはよくない。否から入るとさ、大概失敗するぜ。ずれるんだ、必ず」


木内さんの作品の中では、やはり新撰組を扱った2作、デビュー作でもある「幕末の青嵐」そして本作「地虫鳴く」がとりわけお気に入り。
行間に土方歳三愛が滲み出ていて、読みながら思わずニヤリとしてしまう。
元祖歴女って評したら叱られそう、かな?(笑)

Machi。
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by machiiihi | 2015-11-12 09:58 |

白川道・著「世界で最初の音」

ジャンルとなると、いわゆるハードボイルド小説っていうんでしょうか。
ことさら好きなジャンルの小説というわけではないが、食事でも普段は和食だけど、たまにスパイシーな料理とか、また時にはカップラーメンとか焼きそばUFOとかが無性に食べたくなる。
小説の類もそうで、ハードボイルド、ミステリーといったものが読みたくなる時がある。

白川道
2015年4月16日、大動脈瘤破裂によろ死去。

「竜の道~飛翔編」を読んでいて、その後の展開を、続篇の出版にワクワクしながら待っていただけに、突然の訃報に驚いた。
おまえは権力を掴め!俺は暗黒を支配する。
運輸省官僚となった弟と、裏世界の支配に乗り出した兄。頭脳と双子であることを武器に、兄弟の大いなる復讐劇が始まった!(アマゾン商品紹介より)



作家の死で絶筆となっていたその続篇が、未完のまま出版。
さっそくに購入。
材料がほぼ厳選されて並べられて、いくつかメニュー出ししている途中といった読後感。
ちょっとこのモヤモヤ感をすっきりさせましょうと、選んだのが本書。
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真っ直ぐに背筋を伸ばして生きんとする主人公。
人として一本気な刑事。
ドラマ化したら面白いだろうなって思える内容。

もう少し白川ワールドに染まってもいいかなと思って選んだのが、デビュー作「流星たちの宴」
小説を通してバブル期を振り返るのも面白いかも。


Machi。
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by machiiihi | 2015-11-10 13:29 |

木内昇「地虫鳴く…新選組裏表録」

木内昇
キウチ ノボリさん

初めて彼女の作品を読んだのが「新選組 幕末の青嵐」
まさに青嵐。
時代が大きく変わらんとする時は、とりわけ若者達は動物的嗅覚でもって敏感に嗅ぎとり、内なる熱きものに衝き動かされるように熱き血を滾らせるのだろう。

久々に熱くなった、熱くさせてくれた本だった。


そして、先日読み終えたのが「地虫鳴く―新選組裏表録」
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「幕末の青嵐」は、土方歳三、近藤勇、沖田聡司さらには芹沢鴨といった主役級の人物にスポットを当て、彼らそれぞれの視線で描かれてあるのに対し、
「地虫鳴く~新選組裏表録」は、新撰組にあっていわば脇役に甘んじる者たちに視線が注がれる。
捨石にはならんとする必死なまでの彼ら一人一人、それぞれの生き様に熱くなる。

サム・ペキンパー監督の「ワイルドバンチ」が好きな私には、この2冊はとりわけ愛しい作品。

彼女の作品「ある男」などは、ペキンパー監督の「砂漠の流れ者/ケーブル・ホーグのバラード」に通じる味がある。

木内昇さん。
彼女の人を観る視線の鋭さはどうやって鍛えられたんだろうと思う。
だから読み進むに従って、彼らと向き合っているような感覚さえ覚える。
確かな手ごたえが嬉しい。


Machi。
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by machiiihi | 2015-10-20 11:17 |

「物語ること、生きること」

インタビュー・構成・文:瀧晴巳
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上橋菜穂子さんって言えば、本屋大賞受賞作「鹿の王」の作家さんってのが大体の反応。
だけど
もちろん
「鹿の王」も、それから「獣の奏者」も、その他の作品ももちろん素晴らしいんだけど、
私のおすすめは、
というより
彼女の世界観が、彼女の作品の魅力がぎゅっと詰まっている、
ここが作家としての彼女の原点じゃないかって思うのが
「守り人シリーズ」 
こちらも


人類学者であり作家でもある上橋菜穂子さん。

善と悪の闘いではなく
光と闇に分かたれた世界ではなく
この世の万物のあらゆるものに宿る生命を描き、
愛おしさを描き
分かたれたものたちのその境界線を、
必死に探り
その者たちに寄り添う厳しさ、優しさ、惨酷さ、
生きるということが、改めて、とても愛しく思いださせてくれる。

夢中になって読み上げた「守り人シリーズ」
来春3月からNHKでシリーズ第1作の「精霊の守り人」が実写かされるという。
今から楽しみ。



なぜ、こんな世界が描かれるのかしら
そんな素朴な疑問から手にしたこの本。
「物語ること、生きること」
上橋菜穂子さん
人として
とても信頼できる方
そんな印象を強く感じた本書



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講談社BOOK倶楽部より

物語ること、生きること
著:上橋菜穂子, 文・構成:瀧晴巳

 大好きなことを仕事に出来たら、どんなにいいだろう。
 みなさんの中にも、そんな憧れを抱いている人がきっといると思います。
 私も、そんなひとりでした。
 子どもの頃から、たくさんの物語を夢中で読んできました。いつかこんな物語を、自分でも描けるようになりたい。どうしたらそれが出来るようになるのかもわからないまま、手探りで道を探していたのです。(本文「はじめに」より)

 物語は、いずこから生まれるのか。『獣の奏者』、「守り人」シリーズなど、ベストセラーを生みつづける作家・上橋菜穂子が、原体験となった祖母の昔話から、自作の誕生秘話までを語る。読むことの喜び、書くことの喜び、そして生きることの喜びを教えてくれる一冊。
 
 「国際アンデルセン賞」は1956年に創設された児童文学の本の分野で最も歴史と権威のある国際的な賞です。2年に一度、子どもの本の世界に最も貢献した作家1名と画家1名に送られます。選考水準の高さから、児童文学のノーベル賞と称されています。作家賞の受賞は1994年のまど・みちおさん以来の快挙です!

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先日「守り人シリーズ}を読み終えて、
物語が終ってしまったことを嘆いていた叔母にさっそくこの本を送ってあげよう。
この叔母は、5人姉妹の長女であるわが母の5番目、一番下の妹で、私とは10歳も離れておらず、叔母というより長姉のような存在。
そして しっかりバア様になっている3番目の叔母も、この叔母から教えてもらって、目下「守り人シリーズ」に嵌まって読んでいるとのこと。


ばあ様になってもこんなトキメキって素敵。



Machi。
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by machiiihi | 2015-10-19 10:37 |