ブログトップ

マチの、映画と日々のよしなしごと

machiiihi.exblog.jp

今年も元気に筍料理

来年はよう来るかな~?
数年前からそんな弱気な言葉を口にしつつ、
今年も元気にウキウキルンルン自ら予約電話する我が母91歳。
娘二人(私と妹)と末妹(叔母)を引き連れて筍料理を食べに行ってきました。

毎年楽しませてもらってる「うお嘉」さん
梅田から阪急京都線で東向日駅まで。
8日土曜日は雨がふったりやんだりの予報が曇り空のままで、
晴れ女の母の力もまだまだ健在。
阪急京都線の沿線は桜、桜、桜とずっと続いて、
電車の窓から花見を楽しむ。

今年は筍は不作だとか
ちょっと小ぶりな気もするけど
それぞれにそれなりの年齢だから、これくらいがちょうどいい。


先附 鯛昆布締めと筍絹皮のこのわた和え
b0309033_09512824.jpg

八寸 筍田楽三色と 春の珍味


b0309033_09520960.jpg
b0309033_09521791.jpg
若竹仕立てのお吸い物

向附 朝掘り筍造りと魚
     醤油よりお塩で頂くのが美味
     トロが一切れがええ塩梅
b0309033_09524944.jpg
名物 朝掘り筍鏡煮
     じっくりじっくり煮含めて
     一切れを箸で挟むには重たくて大きくて
     かぶりつき
b0309033_09523230.jpg

箸休め 筍塩釜 明太子黄身酢

b0309033_10110676.jpg
b0309033_10111280.jpg
焼き物 朝掘り筍木の芽焼き

b0309033_09525577.jpg
更に、コースメニューではなく単品で注文した姿焼き
    表の皮一枚残して姫皮までせせって、せせって
    これがお楽しみメニュー
b0309033_09530502.jpg

お凌ぎ 筍入り鯛ちまき寿司
b0309033_10113004.jpg
続いて…
油物   筍海老挟み揚げ・あられ揚げ 山菜
酢の物  筍 赤貝 白魚 梅酢ジュレ
留椀  赤出汁の留椀
筍御飯  筍佃煮
水物 筍桜花とうふ フルーツ 黒豆


目に桜、
口に筍、
春の良き日
元気で恙無く過ごせたことに感謝。


夜に叔母から電話で
「難波についたらお姉ちゃん高島屋に寄ろうって言い出して、
デパ地下元気に歩いたはったわ。
こっちは荷物持って後からついていくの大変やったわ~。」って。
まだまだ食意地はってて、美味しいものを食べるには手間隙ご足労も厭わない。
好奇心も旺盛で、
私の寝室にあった帽子掛けに使ってルジョイントハンガーに真っ先に反応したのも母。アマゾンで注文してあげて、昨日届いて、帽子の整理に重宝してるって。
b0309033_10332426.jpg
来年も良き春の日でありますように。



Machi。



[PR]
# by machiiihi | 2017-04-11 10:35 | 美味しいもの

映画「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」


2007年59歳で夭折したエドワード・ヤン監督の「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」

台湾での公開は1991年。
日本公開は1992年。
その後メディア
25年の歳月を経て、4Kレストア・デジタル・リマスター版としてスクリーンに甦った。
上映時間は236分、約4時間。
b0309033_16404154.jpg

1961年に台湾で実際に起きた、中学生の少年による同級生の少女殺害事件をモチーフにした作品。

本作は未見。
今となってはエドワード・ヤン監督の作品が25年たった今スクリーンで観れるということよりも、チャン・チェンが主役の少年を演じ、これが彼の俳優の第一歩となった作品ということで、
14歳のチャン・チェンを見ましょう!ってミーハー的興味も大いに加味されて映画館まで足を運ぶ。
4時間弱、普通の映画2本文と言うことからでしょうか。
鑑賞料金が特典無しで一般料金2,200円。


b0309033_15400122.jpg

 ↑本作のチャン・チェン(撮影当時14歳だったとか)
b0309033_15064335.jpg
↑オムニバス映画「愛の神、エロス」(2004年)~ウォン・カーウァイ監督「エロス    の純愛~若き仕立て屋の恋」のチャン・チェン(26.7歳頃?)
「グリーン・デスティニー」でも「ブエノスアイレス」でもまだまだ青ぐさくって素通りだったチャン・チェンが、コン・リー相手に、青年の初々しい色香と切なさを感じさせ、一気に注目度急上昇。
 
少女役は決まっていたけれど、少年役がなかなか決まらず、
少年の父親役でチャン・チェンの父親がキャスティングされていて、ヤン監督から少年役と同い年の息子のチャン・チェンを紹介して欲しいとの依頼を受けての本作出演だったとか。
演技経験ゼロのチャン・チェン初出演にして初主演映画。
一年間ほど週に数回程度の割合で演技指導みたいな時間をもったそうだ。
彼のお兄さんも映画の中で兄役で出演。


ヤン監督は彼に会ってきっと即決したでしょうね。
監督の演出、演技指導もあるでしょうけど
映画観ていてそう思う。
醸し出す雰囲気、風貌もさることながら、決め手は彼の目じゃないかな。
柔そうに見えてぐっとしたリキを感じさせる目力。
ラストシーンは見せてくれました。
b0309033_16401250.jpg

b0309033_15394088.jpg

トイレ休憩無しの4時間弱
途中で眠気が、
一回はトイレ中断が、
って思っていたけれど、

映画はドラマチックな展開ではなく
彼らの日常が淡々と描かれており、
抗争シーンもエキサイティングでもなく
映像もダークトーン
だけれど
トイレも眠気も覚えることなくしっかり4時閑弱、エンドクレジットまで確り観てました。


少年が持っている懐中電灯。
暗闇に、そこだけがぼお~っと小さな丸い光が明るい。
その灯りの中で文字を綴る少年。

少年は闇の中で懐中電灯を点けたり消したりする。
闇の中の小さく弱い光。


一つの時代を
台湾が抱える闇を
そこに暮らす彼れの闇と光
そして
青春という時代が永遠に持ちつづける不安定と一途さ。
そして
どんな時代であれ、生きると言うこと自体が、懐中電灯で照らし出された小さな光を手探りに闇を歩くことと同じではないだろうか。


一つの時代
一つの場所
一つの時間
そこにいた人々が織りなす営み
そして起きてしまったある出来事


しかし時間を経た今、
1人の少年が引き起こした事件は、その少年固有のものではなく、
台湾という国だけが抱える固有のテーマでなく、
人として生きるものの普遍的なテーマ
青春が抱える永遠のテーマが、エドワード・ヤン監督が描いた「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」にしっかりと脈打っている。


この映画の象徴としてある少年が手にしていた懐中電灯。

そしてラストシーンはある意味、衝撃だった。
声を荒げることなく、喜怒哀楽といった感情をほとんど表に出さず、淡々としていた少年が、
警察の一室で着替えを促され、警察官達に強いられた時、
彼は初めて感情をむき出しにして、声を張り上げて激しく抵抗する。


25年を経てこの映画に出合えたことも嬉しいし、
そして
この映画によって
チャン・チェンという俳優が生まれたこともまた嬉しい。


取りとめもなく、
まとまらず、思いつくままに綴ってます。
ちょっと映画に戻って……


映画冒頭で綴られる時代背景。
「1949年前後、数百人の中国人が国民党政府と共に台湾へ渡った。
安定した仕事と生活を求めてのことだった。
未知の土地で動揺する両親の姿に少年たちは不安を覚え、グループを結成し自己を誇示しようとした」


中国共産党が中国本土を完全に支配し、1949年に中華人民共和国を設立。
共産党との政権闘争に敗北した蒋介石率いる国民党は台湾に撤退、1949年12月に台北に新政府樹立。

ヤン監督と同世代の侯孝賢は、日本統治の終わりから国民党率いる中華民国が台北に新政府を樹立するまでを、ある一家を通して描いた「非情城市」を撮っている。
1989年公開の2年前までは台湾はずっと戒厳令下にあった。


1947年に上海で生まれ、2歳の時に家族とともに台北に移住したエドワード・ヤン監督。
この事件が起きた時、ヤン監督も少年とほぼ同じ年齢。
いわゆる外省人と呼ばれた少年の家族、そしてヤンの家族達もそうだっただろう。
少年だったヤン監督もこの事件に衝撃を受けたそうだ。
ある意味では、自らを語り、台湾を語り、時代を語るものとして彼の中で映画化に向けてずっとあたため続けてきたものだろう。


1949年に台湾にきてから12年になる……
少年の父親が、歯がゆさを飲み込みながら口にする言葉
上海では知識人として恐らくは自由闊達に暮らしていたのだろう。
しかし台湾での鬱屈とした暮らし。


少年が家族と暮らす家は、かつては日本人が暮らしていた日本家屋だろう。
日本統治時代の名残りが映像の端々に顔をのぞかせる。


こういう時代を通り過ぎてきたからだろうか、
台湾映画における青春映画って
なぜかノスタルジックで、忘れてしまっていた大事なものを甦らせてくれるような初々しさがある。
少年、少女を演じる俳優の色もあるんでしょうね。


b0309033_15054877.jpg

やっぱり
60年代から90年代にかけての映画っていいなってしみじみ思う。
2,200円出して映画館のスクリーンの前まで足運ぶだけの値打ちもんの本作でした。



Machi。

[PR]
# by machiiihi | 2017-04-10 16:47 | 映画

村上龍・著「コイン・ロッカー・ベイビーズ」

やっぱり村上龍はいいよな!
凄いよな!
って改めて思った
「コイン・ロッカー・ベイビーズ」
ちなみに
ねんのため
村上春樹ではありません。
村上龍です。

芥川賞を受賞した「限りなく透明に近いブルー」(1976年)のあと、1980年に刊行されたのが本作「コイン・ロッカー・ベイビーズ」
「限りなく透明に近いブルー」は読んだんだけど、本作は未読。
たぶん当時の私には重過ぎるテーマだったんでしょう。


ほとんど同時代の私と村上龍。
自伝的小説「69sixty nine」などは私の高校時代と重なる空気充満で楽しく読んだ。
通学電車で違う高校に通う友人が、「英語のテストで、<enterprise>の単語の意味が分からなくて<原子力空母>って書いた」って大笑いしたそんなお喋りも思い出した。
そんな時代に高校生だった私も村上龍も。


彼の小説やエッセーを読んでいると、同時代感覚といういか、共有できる感覚がある。
連帯感とでも、信頼感とでも、そんなものにも繋がる様な……。
それは今の彼からも変らず感じられる。

WOWOWで放映されてた韓国映画「コインロッカーの女」を見て、映画情報を検索していて、村上龍の本作にぶつかったのがこの本を手にとったきっかけ。

久々に読む彼の小説。

彼の20代後半の作品。
当時、社会問題にもなった多発するコインロッカー幼児遺棄事件を題材にした本作。
ここまで描ききっているということに、
やっぱり芥川賞作家だなって妙なところで感心させられる私。
感心してしまう私。

映画でいうならシークエンス
その一連のシーンの描写に改行が無く、すっと書き綴られている。
それでも読み手を文字の流れから目を逸らさせない、ぐいぐい引きずり込ませる力。

文庫本になった時は元々は上下2巻だったのが、新装版として一冊になったようです。
b0309033_12415970.jpg
一気に読みました
村上龍氏の「コイン・ロッカー・ベイビーズ」
久々に
小説らしい小説を読んだ!っていう、重さを伴う充足感に浸れました。

「映画らしい映画 見た!」ってのと同じ感覚ね。


スマホの四角い枠の世界じゃやっぱり生きられないのよね。



Machi。








[PR]
# by machiiihi | 2017-04-05 13:05 |

4月になれば……

4月になれば、
こんなはんなりした桜色をみると、
やっぱり
こころが浮き立つ


昨夕
大川沿いの桜。
朝はうんともすんとも無かったらしいけど、
昼からの陽気で一気に花開いたみたい。
b0309033_09552850.jpg
b0309033_09553508.jpg
b0309033_09554764.jpg
b0309033_09554162.jpg
週末は、叔母と私と、そこに実家の母もいっちょかみして
フィギュアスケート世界選手権お茶の間観戦で
電話とメールがいったりきたりのジェットコースター状態で

昨日は夫が出張なさったので、
友人から「うちら勝手に羽生君優勝祝賀会やろう! 隣の喫茶店で焼きウドン奢るわ~!」ってメールきたもんだから
天満橋にある友人のギャラリーまでいそいそと寄り道。

女二人焼きウドン食べながら。
ネットにアップされている今回のフリーやらエキシビジョンの白鳥というよりも、凛とした丹頂鶴さんの舞やら、プレカンやら、帰国時のインタビュー映像やら、はたまた2012年ニース・ワールドの伝説のロミ・ジュリやら見ては盛り上がっての他愛ないもんですけどね。

しかし、まぁ
桜までウキウキ気分を盛り上げてくれて
ありがとう!


実はこの週末、
実家の母と叔母と妹の4人で
毎年恒例、京都まで筍料理を食べに行く予定なんだけど、
羽生君ショート5位の結果に
今回は表彰台も無理かも……って
筍料理の食事会もお通夜状態になってしまうやんって思っていたら……


優勝おめでとう! です。


それからアイスダンスのパパダキス・シゼロン組!
フリーはショート1位のカナダのテッサ・モイア組を押さえて1位に。
YOUTUBE動画で彼らのフリー演技何度見たことか!

結果テッサ・モイア組がトータル198.62で金、パパダキス・シゼロン組が196.04で銀、
そしてアメリカのシブタニ兄妹が185.18で銅。
バンクーバーオリンピックで金、ソチ・オリンピックで銀のテッサ・モイア組。
平昌オリンピックでは当然金メダルを目指しているだろうし、
2015.16年世界選手権2連覇の若いパパダキス・シゼロン組も当然表彰台の真ん中を目指しているだろうし、シブタニ兄妹もメダル争いに食い込んでくるだろうし
男子シングルの熱さは半端ないけど、
アイスダンスもかなりの熱さ。


4月1日の羽生君優勝で
心は春爛漫桜満開状態で
よろしいこと!

ホープ・アンド・レガシー

まさにレガシーになったヘルシンキワールド男子フリー。



4月8日からは
奴等の20年後を描いた「トレイン・スポッティング2」が公開だって。
なにやら嬉しいこと。
皆さん変らず健在は喜ばしい。
シックボーイも現代版ホームズしているしね。


Machi。


[PR]
# by machiiihi | 2017-04-05 10:33 | 徒然に

サクランボの花

今年もサクランボの出荷が始まったとか。
お値段もまだまだ高いこと。
b0309033_16294390.jpg

我が家のサクランボも花が咲いてます。
昨年も花が咲いたけど
実がなるところまでは……

ほったらかしだから
毛虫の餌食になってしまってるみたい。


でも花は愛でましょう。



Machi。

[PR]
# by machiiihi | 2017-03-21 16:29 |

ポスターはこれ

シネマート心斎橋では3月は最強韓国月間と銘打って上映作品「お嬢さん」「哭声」そして「アシュラ」の3作品を見た人だけに先着順で3作品のポスター1枚をプレゼントってあったけど、映画は気に入ったけど、さりとて部屋に飾りたいほどのポスターなんてないから(映画ポスターを飾ろうっていう趣味もないから)、たまたま横に座っていた方に譲った。

とはいうものの、
私のPCラックの上にパネルにいれて立てかけてあるのはこの映画の、このポスター。
サイズはB2版。
……蛍光灯の光で反射して上手く撮れないから画像お借りしました。

ゴダールの「愛の世紀」(2001年)
このわずか数秒間のワンシーン。
映画のストーリーと直接的は関係ないシーンなんだけど、
このシーンはインパクトがあったなぁ。

たしかシネヌーヴォでフランス映画上映会みたいなのがあって、そこでポスタープレゼントガあって好きなポスターをどうぞっていわれて選んだのがこれ。
これだけはPCラックの上で
しっかと存在している。


こうやってみると
やっぱりゴダールの映像ってセンスあるなって思う。


b0309033_14044374.jpg


Machi。


[PR]
# by machiiihi | 2017-03-20 14:06 | お気に入り

映画「アシュラ」


韓国版「アウトレイジ」とでもいいましょうか。
生き残りをかけた血みどろの抗争劇。
そして
誰もいなくなった。
b0309033_13280901.jpg

悪徳市長パク・ソンべが牛耳るアンナム市。
再開発築の利権を巡り、パク市長の悪が渦巻く。
そんな市長の汚れ仕事を一手に引受け、殺人まで手を染めている刑事のハン・ドギョン。
その市長を検察庁送りにするために、ハン・ドギョンの弱みをネタに協力を強要する検事のキム・チャイン、そして実行部隊のドン・チャンハク捜査官。


末期ガンの妻の前では優しい夫の顔を見せるハン・ドギョン刑事。
入院費用を稼ぐ為に、パク市長の手先になり果ててしまったか!ハン・ドギョン。
しかも妻は市長と異母兄妹。
市長と検事の板挟みの崖っぷち。
生来は人情味のあるいい奴だったんでしょうね。
b0309033_13153148.jpg
ハン・ドギョン演じるチョン・ウンソ。
ここまでの汚れ役は初めて?!
43歳。
脂が乗ってきてますねぇ。

   

そんな彼を兄貴と慕う弟刑事のムン・ソンモ。

懐柔策でギョンモが市長の手先に引きずり込んだソンモ。
ギョンモのガキ扱いに刃向って、自分の居場所をつくらんと市長の悪事に自ら手を染めていくソンモ。



一方のキム検事も、ハン・ドギョンから悪事の証拠を手に入れられるかどうか。
上司の至上命令のカウントダウンに彼もまた瀬戸際ぎりぎりに追い込まれている。


b0309033_13210494.jpg
悪徳市長を演じたファン・ジョンミン。
ニコニコしながら、しかし目は冷たく鋭い。
誠実そのもの虫も殺さない優しい男から、極悪人までこの方はほんと化けますねぇ。
役そのものがこの方。
どの作品もそう。


崖っぷちに立った者たちの凄まじいまでのバイオレンス。
この形振り構わぬハイテンション、たたみかけていくハイスピード。
これぞ韓国映画のバイオレンス!
暴力シーンと食事シーンが同じ分量で描かれているのも韓国映画。
生きる為に食べ、そしてなにが何でも生残る。
このエネルギーがスクリーンに充満している。
カーチェイスの迫力ある臨場感は半端ない。

そして終盤
殺し屋たちの手に持っているのは鉈。
韓国映画は鉈なんですね。
殺陣の美学なんぞは蹴飛ばされて、
鉈でぶった切っていくのが韓国映画といっても過言じゃないでしょう。


えげつなさを感じるよりも、生き残りをかけた彼らの死に物狂いの必死さに圧倒されて、ただただスクリーンに釘付け状態。


案外と、ギョンモの弟分ハンモを演じたチュ・ジフンの存在が大きかったかも。
40代男たちの中にあって、30代のジフンの、すっとした所謂クールビューティな風貌が、暑苦しいまでのシーンの溶解剤ともいえるかも。
とはいっても、彼も殺人に手を染めるんですけどね。
そして最後はドギョンとの義兄弟同士のサバイバル。

やっぱり義兄弟の絆も強いんですねぇ、韓国社会では。

b0309033_13160132.jpg
チュ・ジフン君。
今までは身長187の長身とキレイどころの役が多かったけど、
「コンフェッション 友の告白」(2014)は犯罪映画のジャンルだけど、本作のようなバリバリのノワール映画は初めてじゃないかな。
車から突き落とすわ、車を猛発進させてひき殺すわの殺人をやってのけるなんてのも。
「私は王である」なんていうおバカ&コメディ路線系もなかなかのもんだったし(笑)、30代半ばを前にしての本作出演は大きな収穫だったでしょうね。


今までは脳裡に引っかかるほどの俳優ではなかったけど、
本作でちょっとその印象を新たにした。
どこまで化けていけるのか。
ちょっと楽しみ。
b0309033_13203750.jpg


ノワール映画というジャンルで、韓国映画は一つのスタイルを確立しつつあるような……。
そんな凄さを見せつけられた映画でもありました。
「アシュラ」


b0309033_13332354.jpg

Machi。

[PR]
# by machiiihi | 2017-03-19 20:00 | 映画

豊田隆雄・著「本当は怖ろしい韓国の歴史」

高校時代、世界史の授業がやたらめったら面白かった。
歴史を語る先生の活劇弁士も負けるくらいの熱弁と、落語家の如き滑らかな語り口でもって、大陸を縦横無尽に駆け巡り、さながら大スペクタルシーンを見ているようで……
先生は本当に歴史が大好きで仕様がなかったんだろうなって思う。
生徒であった私は先生の話を聴くだけで大いに満足してしまって、それ以上に世界史を勉強するところまでは行かなかったのは不覚。

著者である豊田氏は現役の高校教師だとか。
たぶん世界史の先生だろう。
授業もきっとこの本同様に面白いだろうなって思う。
読みながら高校時代の世界史の授業を懐かしく思い出した。



ノンフィクション作家の立花隆氏が、「見かけも作りも安っぽくていかにもお手軽な本なのだが、読み始めると、結構内容はちゃんとしていて、面白い。史実も押さえるべきところはおさえてあるし……」と本書について評されていたのに興味がそそられた。

b0309033_10483731.jpg

韓国映画の、とことん描く、本音で迫るってところが結構新鮮でお気に入りなのだが、それがテレビドラマとなると、特に歴史ドラマ、宮廷ドラマに顕著なんだけど、途中まではそれなりに面白いのだけれど、はなしがすすむにつれ王座をめぐ奪い合い、白も黒と塗りたくってのなにがなんでもの感情垂れ流しの血みどろのぶつけ合い、短絡的かつ頑なな登場人物たちに辟易し、見続けるのも疲れてしまうこともある。
「恨」の民族と言われるだけあるわってつくづく思う。
こういうドラマを作り、それを観る韓国の人ってどんだけタフなんだとも思う。
近くて遠い国。
イメージだけで知っている気になっているけれど、その実あまり知らない彼の国。
朝鮮半島が辿ってきた歴史を通して韓国を知るのも悪くはないなと、本書を読む。


アジアの歴史を俯瞰した本書。
とっても読みやすくって、高校の歴史の教科書(私が高校生だった頃の教科書ね。今の教科書の記述レベルがどんなのかは知らないから、この例えはあってないかもしれないけど……)にもう少し書き手の鋭い突込みが入ってあって、それがスパイスとなってとっても読みやすいし、かつ面白い。


日清・日露戦争なんて、今では言葉だけは知っているけれど、勃発までの経緯や原因などは頭の中で霧散していたけれど、そうだったのねって認識を新たにする。
そうやって韓国は生き延びてきたのねって思う。


巻末の著者略歴を読むと、
著者は現役の高校の教師。
学生時代の専攻は東アジア研究。
韓国人留学生や中国人留学生から歴史に関する議論を挑まれた経緯から、正当性を得る為に書物を読み漁り、日本の歴史に関心を持つようになる。
「歴史を知るなら、最後は史料」がモットー。
とある。


史料を読み込んで消化し血肉となった上で本書を書いたのだろう。
滑らかで秋させない語りから十分にうかがえる。



「おわりに」で著者の豊田氏が書いている言葉を掲載する。
………筆者が本書を執筆するにあたって、日韓の関わりを改めて振り返ってみて分かったのは、日韓併合から現在までという期間は、わが国と彼の国との関係の歴史において、ほんの断片に過ぎないということだ。
「相手を理解した」と言い切るには、あまりにも短い。だからこそ、学ばなければならない。
……韓国の歴史は漢民族の侵入と、中国への服従の歴史である。日本のそれと比べてみるとあまりにも波乱万丈だ。大陸の勢力図が変るたびに抜け目なく頭を下げる相手を変え、機嫌をとろうと貢物を送る。それでも攻められれば島に逃げ出して、地の利を頼る。
日本との関係も利害関係が絡み複雑怪奇だ。友好関係を築いた渤海や百済のような国もあれば、倭寇を野放しにしているとして攻め込んできた高麗のような国もあった。
本書に書いた日韓の関係は、長年の友好国とは言えないものの、数百年の因縁がある敵同士という表現も当てはまらない。むしろ変っていくとしたら、両国の往来が楽になったこれからではないだろうか。私自身は、韓国で親切な韓国人にたくさん出会った。


第一章 神話の歴史と古代国家の成立
第二章 統一王朝 高麗と外敵の襲来
第三章 朝鮮出兵と李氏朝鮮の盛衰
第四章 日韓合併 日本の一部となる
第五章 国家分断 戦後の朝鮮半島



俯瞰的だけれど、こうして新たな視点で韓国そして日本を振り返ってみる機会となった本書。
是非一読を!




Machi。

追記
よく似たタイトルに、著者の苗字も同じで間違えやすいけど、豊田有恒氏の「本当は怖い韓国の歴史」(祥伝社・新書)ってのがある。
こっちは未読でなんともいえないけれど、別物です。
参考まで。






[PR]
# by machiiihi | 2017-03-15 10:42 |

b0309033_12551421.jpg
ランチに行く途中で。
ビルの前の植え込みに1本。
咲いてるのに気がついたのは3月初旬。
その時はもう少し色も鮮やかだったけど。

ランチに急いでるもんだから
あっ! 撮ればよかったって後から思う。
やっと撮った。
梅の紅とは違う、軽やかな薄紅色に春を感じる。

b0309033_12552161.jpg
Machi。

[PR]
# by machiiihi | 2017-03-14 12:56 | ステキ!

映画「コインロッカーの女」

先日WOWOWで放映されていたので録画して週末の夜中に観る。
本作は「未体験ゾーンの映画たち2016」で上映された作品の一つ。

週末は次の日の起床時刻を気にしなくてもいいから、意地でも宵っ張りになる。
とはいうものの、大抵はテレビを観ながら転寝してしまっていて、夜中にごそごそとお風呂に入るのがいつものパターン。
この映画を観始めたのが零時過ぎていて、どうかすると寝てしまうパターンなんだけど、この映画は最期の最後までエンドクレジットまでしっかりと見入ってしまった。


コインロッカーにへその緒がついたまま捨てられた女の赤ん坊。
コインロッカーの番号10番からイリョンと名づけられたその女の子は、金貸しと臓器売買で裏社会を牛耳る女を母と呼び孤児たちを兄弟にファミリーの一員として育ち、母を絶対的な存在として忠実な犬のごとく母に従う。
イリョンの壮絶なサバイバルを描いたともいえる本作。
b0309033_14594595.jpg


b0309033_14591646.jpg

裏社会を牛じる母を演じたキム・ヘスの存在感!
韓国の女優って、汚れ役は汚れ役で化けるんですねぇ。

そして、イリョンを演じたキム・ゴウンという女優。
風貌も彼女の持つラ童のような無垢、そして静かな凄みもまさに田中祐子!

韓国の女優って整形美女
美形が一番みたいなイメージだけど
主役演じる女優はやっぱり存在感のある女優。
最後は演技の力。
その女優が放つオーラ。

b0309033_15001503.jpg
裏社会に生きる女二人。
脱け出してみせる。
生き抜いてみせる。


生きることを否定されたところから始まったイリョンたちの、壮絶なサバイバル。
母もまた生き抜くために母を殺し、
生き抜く意思を持ったイリョンを前に
母はイリョンの持つ刃を受け入れる。
それは己に代わって生き抜いていくイリョンに対する最期で最初の母としての愛だろう。


「生き抜く」ということ。
理屈も御託もいっさい不要。
ただそのことを地べたから力強く描かれた作品とも言えるんじゃないかな。

本作を撮ったハン・ジュニ監督は31歳。
これが監督デビュー作。


まだまだ眼が離せない韓国映画界。

b0309033_15000348.jpg

コインロッカー幼児置き去り事件を題材にした村上龍原作の「コインロッカー・ベイビーズ」(1980年刊行)という小説がある。
1981年にはラジオドラマ化され、2016年には舞台化されているとのこと。
また刊行時だろうか、ヴァル・キルマーや浅野忠信、リブ・タイラーなどのキャストで映画化の話があったそうだが未だ実現されていないそうだ。
小説は未読で、本作と交錯する部分があるかしらと興味ありでこの小説も読むことに。




Machi。

[PR]
# by machiiihi | 2017-03-13 15:37 | 映画