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マチの、映画と日々のよしなしごと

machiiihi.exblog.jp

薔薇を探しに……

薔薇の名前や種類はよく知らないけれど、
薔薇を見るのは好き。
薔薇屋敷みたいな家を見るのも好き。
薔薇の匂いも好き。
薔薇に囲まれたテラスでエレガントな気分でお茶を、ってのも好き。

でも、もっと好きなのは、例えば小さな茶室周りの庭みたいな、緑一色の小さな空間。苔むした庭に椿か蝋梅の花がそっと色を添えるって風情が好きかも。

だからかしら。
我が家の庭に薔薇って、どうもしっくりこなかったけど……


初夏になると小さな小花が集まって15cmくらいの大きな花房をつける西洋アジサイ・アナベル。
アナベルって名前なんか知らなくって、小さな鉢のこの子が気に入って買い求め、花が終ってから庭植えにしたのが10年以上も前だったかしら。
咲き始めは若い緑色、それから純白の真っ白になって、それはそれは可憐かつ豪華。そして再び緑色になり枯れた茶色にと花の色が変っていく。
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そんなお気に入りのアナベルと、裏手のブロック塀の間の空間が……犬がいた時はそこから彼らが外を眺めたりしていたんだけど、あの子達がいなくなった今となっては……なんとなく間が抜けた場所になってしまって、何を持ってこようかしらと思案するけれど、花の時期にはアナベルが大きな顔して占領してるもんだから、足元の日当たりは悪いし、ちょっとした花を持ってきても、どうもアナベルに負けてしまって……
味気ないブロック隠しのアイビーと、ハツユキカズラも這わせているんだけど、素敵に何とかしたい空間。

手前にオリーブがあって、生い茂ったオリーブの葉の向うに真っ白なアナベルと薔薇があっても、とふと頭に浮かんだこの構図。
アナベルの横に薔薇ってのも雰囲気お似合いだし、薔薇の枝が伸びて、アナベルの上にも薔薇の花が……。
頭の中で描いてみたこの構図って、いいかも~。
ステキかも~。
薔薇の色はやっぱり白?
小さな花のちょこっとピンクの入ったつる薔薇もいいかしら?

あれこれ頭の中で描くのも楽しいこと。
でも、描いているうちがハナなんですけどね(イメージのレベルと現実の間が開きっぱなしで……)

そんなわけで、
薔薇を探しに、薔薇の師匠にくっついて、京都・桂川の松尾園芸へ。
今日もお陽さまポカポカ小春日和。

ではでは、京都駅まで師匠を迎えに今から行ってきます。

続きはまた明日。



Machi。
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# by machiiihi | 2013-11-24 10:00 | ステキ!

映画「セブン・サイコパス」

予告編観て、登場する俳優達のヅラ見たら、これはもう観に行かなくっちゃ、行かなくっちゃって思っていても上映スケジュールと私時間が合わなくって………今週金曜日で終了してしまう。
上映は一日2回で、夜の回は20:30~。
仕事帰りの鑑賞には、かなりきつい時間帯。
途中で寝てしまったら、それまでよと開き直って、前の晩は早寝して準備万端用意周到で、終了直前の本作を観に映画館へ。

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いやぁ~! 良かった!

途中で寝てしまうどころか、心温かく、頭爽やか、身も軽く、どれだけ気持ちよく映画館を後にしたことか!

クサイ言い方かもしれないけれど、愛と友情がいっぱい詰まり、
マーティン・マクドナー監督の、俺流の、映画への愛に溢れた作品「セブン・サイコパス」

いやぁ!良かった!

映画ポスターやコピー文句に騙されないで!
変な映画じゃなくって、変な奴らじゃなくって、
とっても素敵な映画! 素敵な(そうじゃないのもいるけど)奴ら!

       ★★★★★!
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この映画、主役はコリン・ファレル演じた脚本家マーティじゃなくって、サム・ロックウェル演じたビリー?って思えるほど、実は彼がキーパーソン。
後半でサム・ロックウェルがみせる立ち回り(?)! 

クリストファー・ウォーケンも泣かせてくれるわねぇ~ いい味だしているねぇ! 

それからマフィアのボスを演じたウディ・ハレルソン。ここまできたら、愛しい愛しいシーズー犬を抱きしめて涙流して頬ずりするシーンなんかもオマケでみせて欲しかったわぁ(笑)

兎を抱いたトム・ウェイツは、あれっきりでもう出てこないの?って思ったら、最後の最後、本編終了エンドロール途中で、一番オイシイところもらっているやんか!
彼がハスキーなしゃがれ声で、粋に渋く締めてくれました!

オマケだけど、シーズー犬の可愛かったこと!

       ★★★★★!
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良かったって思ったのは私だけじゃないはず。
終了時刻は22:25。
こんな遅い時刻だけど、照明がつくまで皆さん途中で立たなかったものね!(2人ほど立ったけど…とかく大阪人はエンドロール途中でも席立つ人多いんよねぇ)

クセのある個性派俳優達をまとめあげ、こんな味のある傑作「セブン・サイコパス」を撮ったマーティン・マクドナー監督。
本作が日本初公開作品で、彼の初長編作品「ヒットマンズ・レクイエム」(原題:In Bruges)は2008年のサンダンス映画祭でプレミア上映され好評を博したそうだけど、日本ではビデオスルー作品。
最近は未公開作品も積極的に放映してるWOWOWですでに放映されてたけど、コリン・ファレル主演で、彼のげじげじ眉毛は積極的に見ようと思わないからスルーした作品だけど、この映画みたら、「ヒットマンズ・レクイエム」も絶対に観なくては!
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げじげじ眉毛は見たくないと言いながら、コリン・ファレルの8割がたほぼ一人芝居とも言える「フォーン・ブース」(2003年)は好きな作品で、放映されていたら大抵は飽きずに観ている(笑)。本作「セブン・サイコパス」もそうなりそうな映画。


Seven Psychopaths
2012年/110分


Machi。
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# by machiiihi | 2013-11-21 09:57 | 映画

一杯の珈琲

ランチタイムの後で、美味しいコーヒーを飲みたくなったら、ここに。

家でも外でも、普段は砂糖もミルクも入れないブラックで飲むけれど、
ここで飲む時だけは、砂糖スプーンに一つとミルクも入れる。
昼の休憩のランチタイムの後に、ちょっと欲しいまろやかな甘さ。それでいてスッキリとしたコーヒーの風味も損なわれていない。
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サイフォンでいれてくれるここのコーヒー。
コーヒーではなくって珈琲と呼びたいここの味。
お気に入りの一杯の珈琲。


Machi。
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# by machiiihi | 2013-11-20 09:47 | 美味しいもの

映画「ニューヨーク・バーグドルフ 魔法のデパート」

…… ニューヨーク五番街とセントラルパークの角にある1901年創業の老舗デパート「バーグドルフ・グッドマン」の魅力に迫るドキュメンタリ ー………だって。

どんな素敵な夢を映像でみせてくれるのかしら?って観にいってきました。
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原題は「Scatter My Ashes to Bergdorf's」私の灰をバーグドルフにまいて………だって。
それほど、とりわけ女性を虜にさせてくれるのがこのデパート……だって。

「バーグドルフ・グッドマンで買い物をするために成功する、すなわちそれがアメリカンドリーム。上昇する為のモチベーション」………だって。

金時計とキャデラックが自らのステータスと、躍起になるセールスマンたちを描いた「摩天楼を夢みて」(1992年)と重なって、なんか貧しいナァって思う。
まさにビッグな時代のアメリカの象徴でもあるバーグドルフ・グッドマン。

ここ十数年以上、(日本の)デパートで、何でも揃っているはずのデパートで、欲しいものが何も見つからない私には、バーグドルフ・グッドマンの、購買欲を刺激するきらびやかな品揃えや、強烈な審美眼で顧客のハートをつかむやり手スタッフなどなど……
有名人達の賞賛のインタビュー映像と、オシャレな映像がつぎつぎと繰り出され、バーグドルフ・グッドマンの金かけて手の込んだCMフィルムをみせられているような……

それよりも、世界最高のウィンドウディスプレイとして賞賛されているという、バーグドルフのウィンドウディスプレイの製作現場や、過去のディスプレイをじっくりと見せて欲しかったわ。

結局、さほど夢をみせられる様な映像でも内容でも、何もなかった映画「ニューヨーク・バーグドルフ 魔法のデパート」。

映画のチラシに「ファッションの原点が、ここにはある」っていうコピー。
私にとって、ファッションの原点、オシャレ心を養ってくれたのは、10代20代の頃観た映画だわ。
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Machi。
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# by machiiihi | 2013-11-19 00:00 | 映画

我が家のアンティーク

アンティークなどと横文字を使うような洒落物では全くないんだけど、
私が生まれる前の物で、学生時代からず~っと使っていて、やっぱり処分できない物。
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学生時代に下宿先から実家に帰った時、物置代わりに使っていたかつての蔵を潰す為に、母と祖母が中の物を整理し、不要なものは焼いていた。
そこにあったのがこの行李。
質実剛健、頑丈そのもの。
父が戦時中に使っていた行李だとか。
国から支給されたものなんでしょうね。

復員後、母を筆頭に女ばかりの5人姉妹の実家に、婿養子というよりも、長男として養子に迎えられた父。
「これ肩に担いで家にきやはったわ」そう母が教えてくれた。

祖母が「誰も欲しがらんような、古臭いけったいな物欲しがる子やねぇ。」と呆れていたけど、誰も欲しがらなくても私が気に入ってんからえんねんと、お気に入りを見つけてルンルンで、父が下宿先の京都まで送ってくれる車のトランクに積み込んで、以来、ずっと私の手元にある。


厚みがあって、上に立ってもビクともしない頑丈さ。
お座布団を置いてチェストベンチにしていた時もあるし、
ある時には子供の布オムツ入れとして使っていた時もあるし、
オムツが取れてからは、両方のジジ・ババがプレゼントしてくれて結構な量のレゴ・ブロック入れに使っていたし、
大型犬を飼いだしてからは、もっぱら2匹のシャンプー後に使うスーパーサイズのバスタタオルや毛布入れとして洗面所に置いていた。……おかげで、にぶい鋼鉄の黒色だったのが、シャンプーした後の犬たちのぶるぶるで一面水滴だらけになる被害を蒙って、すっかり白っぽくなって、彼等の爪で掻かれて一部が剥がれてしまっている。
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その時に一緒に見つけたのは、祖父か曽祖父が使っていたらしい革のトランク。
こちらもお気に入りで、これもって大学のキャンパスを歩いていた。
こちらは、子育ての時間潰しに始めたパッチワークの端切れ入れになって、その後はお気に入りのポストカード入れになったりと、行李とともに我が家の居間に置かれていた。
……リフォームの時に、押入れにしまってしまった……はず、多分……処分はしていないはず……多分、きっと。


今では2階の踊り場に置かれたままになっているこの行李。
中には犬たちが使っていた毛布がまだ入れたまま。
きっとあの子達の後に又犬を飼う時があるかもと取っていたんでしょう。
中の物は処分して、行李はワックスで磨いてあげよう。


Machi。
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# by machiiihi | 2013-11-18 10:33 | お気に入り

シルバニア・ファミリー

懐かしくって写真を撮らせていただいた。
会社近くのお気に入りの喫茶店。
テーブル席の仕切り台の上に硝子ケースに入って飾られているシルバニア・ファミリー。
たいていはカウンターに座るけど、満席でテーブル席に座った時なんかも、見ているだけで楽しい。
こんなにたくさんは揃っていないけれど、娘も子供の頃に遊んでいて、押入れの天袋に今もしまってある。
娘が持っていたのは丸太小屋と二階建ての家。クマさん一家も赤ちゃんからおじいちゃん、おばあちゃんまでいて結構な世帯。トイレもバスタブも陶器だし、フライパンもコンロも精工で、子供よりも親の方が嬉しくって、今も大事にしまってある。

12月で3歳になるおチビちゃん。
男の子だけれど、出してあげると案外と喜ぶかも。

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誰の趣味?ってウェイター君にこそっと聞いたら、カウンターの中で、たまたま背中向けてしゃがんでいた彼をそっと指差して、にやっと笑いながら片目つぶって「ナイショ」。
無愛想に、でも美味しいコーヒーを入れてくれる彼の趣味なんだ~。
へぇ~。
人って見かけではわからないものねぇ。


Machi。
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# by machiiihi | 2013-11-17 07:00 | ステキ!

映画「太陽に灼かれて」

日本公開作品しか知らないけれど、ソ連時代も含めてロシア映画って、ユーモアとか飄々とした軽やかさとは無縁の、ストイックすぎるほどの視点で描かれた、という印象が強い。
苦しいほどのその重い情緒、情感もまた、これはこれで好きなんだけど。


そんな中でニキータ・ミハルコフの作品は、それまでのロシア映画にはない大らかなユーモアや春を思わせるような明るさが異質で、初めて彼の作品が日本で公開された「機械じかけのピアノのための未完成の戯曲」(1977年)や、ソ連崩壊後の本作「太陽に灼かれて」(1994年)、政治力を利用して予算を使いすぎたと国内で大いに批判を浴びたという「シベリアの理髪師」(1999年)などは、例えばロシア版エミール・クストリッツァ的に面白いと思える作品。
ドラマの背景にある、豊饒なる大地を思わせるようなロシアの広大さもまた惹かれた一つかもしれない。


今回、「太陽に灼かれて」、「戦火のナージャ」(2010年)に続くスターリン時代のソ連を舞台にした3部作の最終章「遥かなる勝利へ」(2011年)の公開記念として、BSで放映されていた本作を再鑑賞。東日本大震災ショックで観なかった「戦火のナージャ」も合わせて鑑賞。

しかし、
10年ぶりのミハルコフ監督ということで期待した、「12人の怒れる男 12」(2007年)は、ロシアの抱える問題が浮き彫りに…というけれど、お題目だけ並べただけの薄っぺらさに、こんな監督だったの?ってちょっとがっかり。ソ連の時代、スターリンの時代と違って現代のロシアを描くとなると、政治的にもあれこれ支障があるのかしらねと皮肉な目でみてしまったように、
本作の続篇「戦火のナージャ」も、規模からすると大作ではあるがありきたりのお定まりの内容で、ミハルコフ監督自身から何かが削ぎ落とされたような、かなりしんどい出来栄え。
「遥かなる勝利へ」の出来も見えてきたような………。
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最終章の「遥かなる勝利へ」では登場人物たちがどんな形でラストシーンに繋がっていくのか、多分に野次馬根性的な興味はあるが、映画館に行くほどのものでもない気がする。
多分、大作だが中味は濃厚すぎるほどの父と娘のセンチメンタルな感動の再会シーンに終始するのだろうなぁと予測される。

カンヌ国際映画祭審査員グランプリとアカデミー外国語映画賞をダブル受賞した本作「太陽に灼かれて」に、彼の映像作家としての才気と映像センスが凝縮された作品で、それ以降については語るべきものはないんじゃないかな。


「太陽に灼かれて」
1994年

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物語の背景は、ロシア革命を勝利へと導いたレーニン亡き後、スターリンが政権を握りその独裁政権下で、1930年代には「反革命罪」で死刑判決を受けたものは約72万人とされる大粛清時代。

「朱に染まった波の間から、偽りの太陽が昇り始める」
暗喩に満ちた言葉とともに、物語は二つの対照的なシーンで始まる。


この言葉で始まる新聞記事をたどたどしいロシア語で読む執事の声を聞きながら、一人の男(ドミトリ)が、銃弾を抜いた拳銃をこめかみに当て、ロシアンルーレットの死の恐怖に身を投じる。

そして、「偽りの太陽」を演奏する楽団のメロディに合わせ雪の舞い散る中で一組の男女(コトフとマルーシャ)が踊る、まるで帝政ロシアの時代を思わせるようなシーン。その傍らのベンチで一人の少女(ナージャ)が「偽りの太陽」の歌を口ずさむ。

そしてこの暗喩に導かれるように、映像の風景もまた変容していく。

古き良き時代の郷愁さえ感じさせるような牧歌的な田園風景の中、粛清の嵐などとは無縁のような、太陽の光がさんさんと溢れる映像。
革命の英雄として村人や兵士から篤い信頼と尊敬を集めるコトフ大佐の陽気で人情味溢れる饒舌、ナージャの無邪気で快活なお喋り、そしてコトフの大きな愛に包まれたマルーシャの笑顔。
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そこに一人の男、誰にも何も言わず10年前に突然に姿を消した男ドミトリが現れる。
少年時代に両親を亡くした彼がマルーシャやその家族らとともに暮らしていた家。
そしてコトフの若く美しいマルーシャは、10年前にドミトリがある人物から国外派遣を命じられるまでは二人は恋人同士だった。命じたのはコトフ。

一人の女性マルーシャをめぐり二人の男が対峙する。
一人はロシア革命の英雄コトフ。もう一人は貴族出身でスターリンの秘密警察の一員として動いているドミトリ。
10年前に国外派遣を命じたのはコトフの巧妙な策略と信じるドミトリは、コトフの破滅に執念を燃やし、スターリンの粛清に乗じて彼をクレムリンに送り込むためにやってきた。
しかし、マルーシャをはじめ一族達は10年ぶりのドミトリに興奮する。

ドミトリの出現によって、太陽のごとき存在だったコトフから饒舌が奪われ、代わって、ドミトリの饒舌が主役となる。ドミトリがお伽話としてナージャに語るのはドミトリとマルーシャのこと、そして10年前のこと。

「朱に染まった波の間から、偽りの太陽が昇り始める」
その偽りの太陽は、草原を抜け、ドミトリの語るお伽話を聞いている彼等の間を、彼等の間を抜け、火の玉となって燃え上がる。


語学に長け芸術の造詣も深かったドミトリは諜報部員として国外を渡り歩いていた。
「命じたのは私だ。だが決意をしたのは彼自身だ。行けと言われたら愛する妻と子供がいても私は行く。国を愛するがゆえに行く。しかし彼は恐怖に負けて行くことを決意した。そこが私と彼の違いだ。」ショックを受けるマルーシャにそう答えるコトフ。

しかし、コトフのドミトリに対するこの指摘は彼の弱点を鋭く衝いている。
革命政権下、貴族階級であるということはドミトリにとっては致命的的なものだっただろう。
常に自らの意識、内面を抹殺していくことで彼は革命後の世界を生きてきたのだろう。
あるいはコトフが糾弾するように二重スパイとして暗躍していたのかもしれない。恐怖に衝き動かされて……。

平静を装いながらも、コトフの力強い凝視を正視できない弱さ、その弱さへの怖れを隠すかのように口笛を吹くドミトリ。
ドミトリのあの饒舌もまた彼の内面の弱さを隠す為のものだったのだろう。
あらためて、冒頭でのあのロシアンルーレットで必死に恐怖に耐えるドミトリの姿が重なる。


ドミトリもまた、いや彼こそが時代の被害者であるといえる。
コトフ逮捕の後、「偽りの太陽」のメロディを口ずさみながら、バスタブに浸かり手首を切ってに身を委ねるドミトリ。
物語はドミトリの恐怖で始まり、そして彼の恐怖で静かに幕が閉じられる。
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そして、革命の英雄コトフの物語も、ドミトリの物語も、全ては、ラストに出現する、気球によって上空に垂らされたスターリンの巨大な肖像に飲みこまれ集束していく。
陸軍大佐コトフ 36年8月12日銃殺 56年11月名誉回復。
マリア・コトヴァ 禁固10年 40年死亡 56年名誉回復。
ナージャ・コトヴァ 36年6月逮捕 56年名誉回復 現在カザフスタン在住。
このキャプションで本作は一先ず締めくくられる。


男女3人の愛憎ドラマという様相を装いながら、粛清の時代そのものを描いた本作。
登場人物のセリフにもミハルコフの時代に対する鋭い視線が込められている。
日常と非日常の不安定なパラレル、非日常が一瞬にして日常を崩壊させる不条理、そしてその中でナージャの無邪気な笑顔だけが一貫して変らず、それは未だ何物にも染まらぬ無垢な存在、未来に繋がるものとして観る者に強く印象付ける。
この作品は面白い。
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ニキータ・ハミルコフが演じたコトフ。その娘ナージャは彼の実の娘ナージャ・ハミルコフ。


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Machi。
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# by machiiihi | 2013-11-16 00:00 | 映画

届いた野菜で晩ご飯

宮城県から届いた荷物。
夫の知人からの届き物。
ダンボールに貼られた送り状には「ヤサイ」
開けると里芋も大和芋も長芋も土からほったまんま。
キャベツにブロッコリーに葱……。
土のホクホクしたいい匂いがするのがとれたて新鮮。

その夜は、土を洗って皮をむいたら真っ白な長芋をすりおろして、
ポン酢かけてつるつるつるっと。
喉ごしのなんと滑らかなこと。
美味しくって、ダンボールから取り出してせっせとすりおろして、お代わり。

今日は、長芋よりも粘りのある大和芋でとろろご飯。
太葱は、風邪予防に焼き葱にして、
ついでに鶏肉も塩麹で味付けして一緒に焼いちゃおう。
それにワカメの味噌汁があればOKでしょう。

ヌルヌル・ネバネバがダメな夫が出張中で良かったこと。



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泥を被っているけれど、この真っ白さが断然違う!


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お手軽にグリル用フライパンに乗っけて焼いた葱と鶏肉。
グリルをあけて焼き加減をみると、あともう少しかな。




里芋も長芋もオクラもモズクも納豆もダメで、基本お子ちゃま味覚の夫。
ピーマンもいまだにイヤみたいだから焼き葱なんかはもってのほか。
そうそう、牛肉でもお魚でも味噌漬けしたのは食べるけど、どちらかというと好きじゃないみたい(だから塩麹風味ってのも駄目でしょう)。
オクラは3回に1回は食べなければって思って食べるみたいだけど、
あとは息子に押しつける。
デミグラスソースで煮込んだビーフ・シチューなんかよりも、
市販のルーを使って作ったカレーの方が大好きみたい。
だから、
単身赴任から帰還しても出張が多くって良かったなって思う私と息子。
出張先ではほとんど接待食で、ええもん食べたはるみたいだから、
家では手の込んだ凝った料理より、
気の張らない好きなもの食べたいんでしょうと思い遣って、
手間の掛からない料理を心がけている私(微笑)。

Machi。
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# by machiiihi | 2013-11-15 06:00 | 美味しいもの

出産祝いの私の定番

男の子ならスナフキン。
女の子ならミー。
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ムーミンでお馴染みの人気キャラクター。
赤ちゃんが産まれたら、気がおけない間柄に限ってだけど、私の出産祝いの定番はエーケルンド社のこのクッション。
30cm×30cmで普通のクッションよりも一回り小さくって、ヨチヨチ歩きでももてる大きさ。
エーケルンド社では綿の種から有機農法で栽培しているし、このまま丸洗いもできるから清潔で安心。

娘のところには、おチビちゃんが生まれる前に、それぞれの誕生日に一つずつ。
二人の姪っこのところにもお祝いにつけて、一人はミー、もう一人はスナフキン。

今回も親しい知人の娘さんが二人目出産との事で、ラッピングしてもらったものを引取りに行ってパチリ。一人目は女の子でミーちゃんのクッションをプレゼントしたから、今回は男の子なのでスナフキンをプレゼントできるから、私の方が嬉しくって。
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Machi。
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# by machiiihi | 2013-11-14 00:00 | お気に入り

映画「愛の神、エロス」のソダーバーグ作品を観る。

「愛の神、エロス」(2004年)

3人の監督によるオムニバス映画
第1章:ウォン・カーウァイ「エロスの純愛〜若き仕立屋の恋」(原題:The Hand)
第2章:スティーブン・ソダーバーグ「エロスの悪戯〜ペンローズの悩み」(原題:Equilibrium)
第3章:ミケランジェロ・アントニオーニ「エロスの誘惑〜危険な道筋」(原題:The Dangerous Thread of Things)

公開時にはいそいそと劇場まで観にいったけれど、第一作目のウォン・カーウァイ監督作品は、それはそれは切なくて、コン・リー演じる、高級娼婦から街で春を売る女にまで落ちぶれてしまった女性を一途に思い続ける若き仕立て屋を演じたチャン・チェンがまた良くって、最後の二人の切なすぎるほど切ない絡みのシーンなんて、このストイックなまでの純愛に、今回も劇場で観た時以上にウルウル。

劇場ではその後に続く2作品は2作品とも途中で寝てしまうというあり得ない事態だったけど、それでも大いに満足して劇場を後にできたのも、ウォン・カーウァイ監督の『エロスの純愛〜若き仕立屋の恋』がそれほどに満足させてくれたということ。
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やぱりチャン・チェンの画像アップしましょ♪


さて、さて……
先日「恋するリベラーチェ」を観にいって、この作品を最後にソダーバーグが監督活動を休止するというので、途中で寝てしまい、ラストでビュンビュン空を飛んでいたあの紙飛行機は何だったんだろう?って時折思い出しては気になっていた、第2章のスティーブン・ソダーバーグ『エロスの悪戯〜ペンローズの悩み』を観なければって気になっての鑑賞。

原題の「Equilibrium」は英語で「平衡、つり合い、落ち着き」という意味。
毎晩同じ女性の夢を見続けるという悩みを抱えてベンローズは精神科分析医のパール医師を訪れる。

眠気を誘うけれど、これは、ベンローズがカウチに横になり、うとうとした状態でパール医師に夢の話を語り続けるという、このベンローズのうとうと感、ベンローズを演じるロバート・ダウニー・Jrが今にも寝そうな声でとつとつ・うじうじ・ぐだぐだと夢の話をするもんだから、それが観る方に伝染しての眠気でしょうねぇ。

そこへいくとアラン・アーキン演じるパール医師は手馴れたもの。
カウチの後ろ側に座って患者から彼が見えないのをいいことに、話をしながら、目は窓の外。そっと望遠鏡を取り出して、窓からナンパしているか、それとも恋人が通るのを待っているのか。お目当てをキャッチした彼はビルの窓を開けて手を振るけれど気づかないので、カルテの用紙(多分)を取り出して紙飛行機を折っては飛ばし、折っては飛ばし、やっと相手も気づいたらしく手で無言ジェスチャーしてナンパ成功。その間も口はベンローズと話している。

蔭でこそこそそんなことしてるからパール医師はベンローズの告白を聞きながらもちっとも眠くはならず、気持ちは約束の相手に会うところに飛んでいる。


この作品、今回初めて最後まできちんと見終えたけど、眠気を誘うことを除けば、ベンローズとパール医師の対比関係も面白く、私、これは結構好きだわ。
はてさて、次々と紙飛行機が飛ばされるけれど、方向を見失っているようにも、闇雲にも見えるけど、はてさてどこに、何にぶつかるのかしらねぇ。
それとも紙飛行機を飛ばし続けることで、ベンローズは自らを解き放つことが出来るのかしらね。

ウィキペディア「愛の神、エロス」の評価欄でこんな面白い一文が掲載されていた。
……『シカゴ・サンタイムズ』のロジャー・イーバートは、『エロスの純愛〜若き仕立屋の恋』に4ツ星満点、『エロスの悪戯〜ペンローズの悩み』に3ツ星、『エロスの誘惑〜危険な道筋』に1ツ星を与えた。……

3作品ともきちんと見終わった後での思わず納得のイーバート氏のこの評価。

でも私のオススメ度としては、「エロスの純愛〜若き仕立屋の恋」観て!観て!絶対観て100%全開の★5つ。
ソダーバーグの「エロスの悪戯〜ペンローズの悩み」は、気に入ったけど、寝るかどうかは自己責任としても、眠気度差し引いて(笑)★3つ。
アントニオーニさんの「エロスの誘惑〜危険な道筋」は短絡的過ぎというかストレートすぎというか、ここまできたら文化の違いか?価値観の違いか。どうでもいいわで★なし。



Machi。
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# by machiiihi | 2013-11-13 00:00 | 映画