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マチの、映画と日々のよしなしごと

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海外ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」

ネットオンリーのドラマであるにも関わらず、100億円もの製作費が投入されたことも話題になり、さらにさらにエミー賞主要部門にノミネートされたのも驚きなら、監督賞、キャスティング賞、撮影賞の3部門受賞というこの快挙。
16日からイマジカBSで放映スタート。
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観たい!って思う映画が少なくなったからか、海外テレビドラマに目が向いて、これがゾクゾクするほど面白くってはまっている。
大作物も多くなってきているし、スピルバーグやスコセッシがこぞって大作ドラマ製作に乗り出している。テレビドラマの製作資金も日本とは桁違いで、細部まで拘った映像だし、俳優達の演技もリアルだし、スクリーンで観るか、テレビで観るかの違いだけ。
出演する役者も映画でお馴染みの方も多い。
映画「シン・レッド・ライン」や「モンテクリスト伯」「パッション」のジム・カヴィーゼルも最近映画でお見かけしないと思っていたら、アメリカCBS製作の「PERSON of INTEREST/ 犯罪予知ユニット」(2011年~)に主演の一人としてレギュラー出演している。兄クリストファー・ノーラン監督作品の脚本を手がけている、弟ジョナサン・ノーランが原案・脚本・製作総指揮のこのドラマ、毎週はまってみていて、シーズン2も終了し、新たな展開にワクワクしながらシーズン3放映を待っているところ。

と前置きが長くなってしまったけど、
10月16日からイマジカBSで放映スタートとなったこのドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」もまたまたはまってみてしまいそう。

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アメリカの政治の中枢を舞台に繰り広げられるパワーゲーム。
大統領選への貢献と協力で約束されていたはずの国務長官の座があっさりと反故にされたベテラン議員フランシス・アンダーウッド。

怒りと失意が、彼を新たな政治のパワーゲームへと駆り立てる。
「今後のルールはただ一つだ。”この屈辱を忘れるな”」
夫に負けず劣らず権力志向の強い妻クレアも「誰にも謝っちゃダメ。この私にもよ」「私たちはチームでしょ。」と夫との強力タッグを確認しあう。

主演のフランシス・アンダーウッドにケヴィン・スペイシー。その妻クレアにロビン・ライト。
そして製作総指揮がデヴィッド・フィンチャー。幕開けの第1章と第2章は彼が演出も手がけている。

序章ともいえる第3章まで一挙に連続放映され、彼に接触してきた野心に燃えるワシントン・ヘラルド紙の若手女性記者ゾーイ・バーンズを使って、自分の代わりに国務長官候補となった男をその座から引きずりおろし、外堀から徐々に埋めていくアンダーウッドの大統領失墜のシナリオが動き出す。
これからが本格的にアンダーウッドの復讐の反撃が始まる。
すでに嫉妬と憎悪が生み出され始め、その黒い影がどんな形で絡まっていくのかもスリリングで楽しみ。

これからフランシス・アンダーウッドがどんな策謀を企て、そして演じるケヴィン・スペイシーがどんな演技をみせてくれるのか、フィンチャー監督の「セブン」や「ユージュアル・サスペクツ」以上のクセモノ演技が大いに期待させられる。
そして、これまで繊細なイメージが強かったロビン・ライトが、本作クレア役では夫に負けず劣らずの強かさを見せる。賢く美しく最良のパートナーとして夫を支えている風でいて、夫を手の平で手繰っているのは実は彼女の方?って風にも見える。
これからこの夫婦の関係もどのような展開を見せていくのか。
ドロドロの相関図が生まれていくことだろう。


毎週水曜日 23:00~(再放送は、木曜日 13:30~14:30/火曜日 深夜00:00~深夜01:00)
来年になったら「シャーロック」も始まるだろうし、今、海外ドラマが面白い。


マチ。
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# by machiiihi | 2013-10-17 09:28 | 映画

これは何者?

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黒く光るこれは何者?
中世に暗躍した黒騎士団(そんなのがあったのかどうか知らないけど)か、覆面の騎士団みたいなこれは何者?

実はお香立て。

ようやく涼しくなったこの頃。
しっとりとした気持ちになって、部屋にお香の匂いが欲しくなる。
アロマ流行のこの頃だけど、やっぱり私はお香の匂いが好き。
終った後も、近くを通ると残り香がほのかに漂っている。


こんなひと時も秋だからでしょうね。

覆面したような目から煙が漂ってるのが分かるかな?

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マチ。
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# by machiiihi | 2013-10-16 00:00 | ステキ!

続いて「アウトレイジ ビヨンド」

3連休に録画していた「アウトレイジ ビヨンド」を観る。

ヴァイオレンスとかとは対極みたいな雰囲気の加瀬亮くん演じるインテリヤクザ石原が印象的だった前作の「アウトレイジ」。
大半が死んでしまった中で数少ない生き残り組。
本作では、関東一円を取しきる暴力団組織「山王会」の会長に納まった加藤(三浦友和)の下で、若頭として会長を補佐する地位にまで異例の出世。

企業に例えれば、山王会が本社とすれば、石原の今までの地位は、本社の系列会社の下請け会社社員。その彼が本社トップの第一秘書といった地位になったんだから凄い出世。
しかし前作のクールな強かさとと打って変わってのエキセントリックというかヒステリックに子分たちを怒鳴りつける、強いものには弱く、弱いものには強い奴の典型みたいになっている。
全体が見えず近視眼的に己の地位保身に汲々としている、しょせんは小物に過ぎなかったということか。

先代会長に侍っていた加藤が会長になり、外様の若造の石原がでかい顔をしてのさばっている。
面白くないのが先代からの山王会直参の組長達。
『アウトレイジ」続く「アウトレイジビヨンド」で男たちが繰り広げる抗争劇は、武家社会でも現代のサラリーマン社会でも、暴力団組織でも、顔ぶれが違っても、組織というものの宿命か、権力のピラミッド構造が生まれたところには必ず起きる権力奪取の構図。

そんな彼らの間を、マル暴(組織犯罪対策部)担当刑事の片岡がフィクサー的役回りで動き回る。
片岡もまた山王会を潰して、それを手柄に警察内部での出世に野心を燃やす。
片岡演じる小日向文世。
日本のケヴィン・スペイシーともいえる曲者俳優。
お顔も似ている。
善人みたいなこの顔がとんだ食わせ者。
人心を操り過ぎて人の情けをないがしろにしたのが命取りに。野心とともに彼の自負心が強くなっていったんでしょうね。
策士策に溺れるの典型ともいえる片岡の最期。
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野心と策謀、それを手っ取り早く実現する為の暴力。
そんなドロドロの非情な世界にあって、木村や石原が見せる無骨なまでの義理人情。
欲得抜きの人の世の情けが、乾いた世界に人肌の温もりを感じさせる。

これだけの錚々たる俳優陣を揃え、それぞれが主役であり、かつ誰も主役でなく(強いて言えばビートたけし演じる大友か?)、本作で女性が出てきたのはたったワンシーンだけだったかな。
ヤクザ世界に権力社会の縮図を投影させ、男たちがただただひたすら繰り返す殺られたら殺りかえすバイオレンスを描きながら、血なまぐささよりも乾いた空気さえ感じさせ、どこかコミカルな味も違和感なく流れ、錚々たる俳優達それぞれの演技も楽しめるという、そんなエンターテイメント作品でもある北野武監督の「アウトレイジ」と続いての「アウトレイジビヨンド」
3連休の間、みたい公開映画もさほどなく、録画鑑賞してお家シネマで大いに楽しめました。

しかし「アウトレイジ」での 椎名桔平の殺され方といい、 石橋蓮司の歯医者で拷問シーンといい、そして本作での加瀬亮の殺され方といい、こんなアイデアは北野武=ビートたけし=エンタティナー。
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マチ。
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# by machiiihi | 2013-10-15 06:00 | 映画

映画「アウトレイジ」続いて「アウトレイジ ビヨンド」

バイオレンス映画、バイオレンスシーンにはさほど抵抗はない……精神的痛さを伴うバイオレンス映画は好きだ。私の友だちのなかには、血の出る映画はイヤ、きれいな映画が好きっていうのもいるけど……私も、必要以上に、単に刺激だけ狙いの過激描写はゴメンで、監督、キャストで選ぶけど。

でもバイオレンスものを観るには体力気力がいるなって、映画シニア割引世代に突入してからはしみじみ思う。
映画1000円だ!って喜んでいたけれど、週末で消化しきれない映画は、仕事帰りにってのがちょっと前までは当たり前だったけど、これが疲れる。眠たい。そんな時間あればさっさと家に帰ってゆっくりしたいと思い出してきたこの頃。

この映画「アウトレイジ」公開頃は身体のバイオリズムが体力ダウンしていた頃。
でこのたびCSで「アウトレイジ」(2010年)、「アウトレイジ ビヨンド」(2012年)が放映されていたのでお家シネマでゆっくりと鑑賞。
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中でも一番印象強かったのが、加瀬亮くん演じるインテリヤクザ石原でしょう。
傘下屈指の武闘派集団大友組は、昔気質の義理人情に生きるヤクザ集団にあって、一人異質な空気を放つ金庫番・石原。
その石原が沈着冷静な無表情と人を見下したような視線で、金でつるんだグバナン共和国在日大使館大使を、淡々とした英語で脅すシーンには、「ドライブ」のライアン・ゴズリングばりに、こてっとはまってしまった。
熱さを感じさせないこの冷たさ。
いやぁ、ええ感じやん!加瀬亮君。
彼がこのアウトレイジの中で実は一番に冷酷で強かな奴と違うやろか。

一見、草食系でつかみどころのなさそうな感の彼の雰囲気。
このつかみどころのなさが曲者で、どんな役にも溶け込んでしまう。
ありふれた普通の人間から、誠実な人間、冷酷な人間、精神を病んだ人間、ぶちぎれる役とか、そして内に熱い魂を持った人間まで……彼のフィルモグラフィーを振り返っても十分に納得。
でもそこには、大学卒業前に、役者になりたいと親の猛反対され、それを押し切って家を出て、付き人や現場アシスタントなんかの下積みを経て、それでも役者を目指し続けた彼の中で培われていったものがあるからなんでしょうねぇ。


「アウトレイジ」に加瀬君がいるといないとでは、作品の空気がずいぶんと違っただろうなって思う。
例えば、「スタートレック イン・トゥ・ダークネス」のベネディクト・カンバーバッチみたい(飛躍しすぎ?…笑)。
カンバーバッチのあのシニカルなクールな空気があの映画をどれだけ魅力的にしたことか!
ウィキペディアをみると、英語が話せるインテリヤクザ石原のキャスティングには、押尾学も候補として上がっていたけど、胡散臭そうと却下となったとか。その後であの事件。脚本も大事だけど、作品を生かすも殺すもキャスティング次第。

でも最初はヤクザに見えなくって北野武も下を向いたとか。 
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印象的だったシーンが、
やっぱりタケシ映画ってアートだな思ったのが、大友組の若頭、椎名桔平が殺し屋二人に車に拉致されえげつない形で殺される場面に続く俯瞰映像。
このシーンだけでもみたいと思う。
車を降りたスーツ姿の殺し屋二人がどこまでも続く海岸線を歩く。
二人並んでただ歩き続ける場面を、はるか上方からカメラは撮り続ける。
どこまでも続く道。
淡々とした歩調で歩き続ける二人。
青い空が広がり、海が広がり波が悠々と岸壁に打ち寄せられる。
二人の後方から車が近づいてくる。止まった車に二人は乗り込み、そして走り去る。
淡々と流れるこの一連のシークェンス。
スタイリッシュともいえるこの俯瞰映像。

地べたで繰り広げられるドロドロの血なまぐさい抗争とは無関係に悠々とした時の流れ。
無常観さえ感じさせるこのシーン。
このシーンが本作で北野武が描こうとしたテーマなんだろうナァ。

…………………………………………………………………………………………………………………

続いて「アウトレイジ」を超えて続篇「アウトレイジ ビヨンド」

関東一円を仕切る巨大暴力団山王会。
山王会直参の池本組。その下部組織で武闘派の大友組。そして山王会入りをねらい池本組と兄弟の杯を交わした村瀬組。
事の発端は、大友組と村瀬組のちょっとしたいざこざが、血の気の多いのが暴走し収拾がつかなくなり、村瀬に泣きつかれた池本組もまきこみ、そこにこの機に乗じて組の大掃除を図り組織と己の地位安泰を目論む山王会会長の思惑も絡まり、三つの組が血で血を洗う抗争へと激化。
そして、山王会内部でも、会長の片腕として仕えるも、会長から頭を抑え続けられてきた若頭の加藤が、会長を射殺、自ら会長の座に就く。
それそれがそれぞれに邪魔者を消していき、出演者の大半が死んでしまうというのが「アウトレイジ」
山王会の長となり関東一円を取り仕切るのは三浦友和演じる加藤。ビートたけし演じる大友組組長はムショの中で囚人に刺殺されたはずが、予告編では生きていた。そして大友組金庫番だった石原も強かに生き延びている。

「アウトレイジ ビヨンド」のCS放映は10月12日夜。
記事は録画鑑賞後で。

つづく。




マチ。
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# by machiiihi | 2013-10-14 06:00 | 映画

「北の愛人」 著者:マルグリット・デュラス

ランチタイムのお気に入りのお店の一つ。
カウンターとテーブル席が3つほどの小さなイタリアン・レストラン。
そこで給仕している女性が1週間ほどいなくって、その後お店に出てきた時に聞いたら「ちょっと旅に」ということで、ベトナムに行ってたんだそうだ。

べトナムといえば、まだインドシナと呼ばれていた1930年頃のフランス領だった頃のベトナムを舞台にした映画「愛人/ラマン」観た?って訊いたら、旅行に行ってからベトナムを舞台にした映画も興味でてきて調べたら、お勧め映画でこの映画がトップでしたって。

そうだろう、そうだろうと、私のお気に入り映画だけに機嫌よく肯くことしきり。
他に私的にお勧めなのは トラン・アン・ユン監督の「夏至」。カンヌ映画祭でカメラドールを受賞した「青いパパイヤの香り」よりも、私はこっちの方が断然好き。
「愛人/ラマン」の映画レビューはこちらのブログを

「夏至」の映画レビューはこちらのブログを
そんな話でひとしきり盛り上がり、懐かしくなってデュラスの原作を読んでみようかという気になって、買ったのが「愛人」ではなく、7年後に再び同じテーマで書かれた「北の愛人」の方。
面白いのが、「北の愛人」の中では「愛人」は『あの本』という表現で語られているのが面白い。
華僑の青年についても「彼は、あの本の男とはすこしちがう。あの本の男よりすこし逞しく。あの本の男ほどびくびくせず、もっと大胆である。………彼女の方は本の少女のままである……」
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巻末の、翻訳者である清水徹氏の解説によると、
ゴンクール賞を受賞した「愛人 ラマン」(原題 L'Amant)の映画化の動きがあり、ジャン=ジャック・アノー監督によって映画化されることになったことが、本作「北の愛人」の執筆のきっかけだとか。既に映画化権を渡してしまったデュラスは、自分の原作が勝手に作り変えられることに凄く抵抗があったんでしょうね。
映画撮るならこんな風にしてちょうだいって、ことで書いたのが「北の愛人」みたい。
映画シナリオのよう。
映像化を強く意識した描写で綴られている。

これは本だ。
これは映画だ。
夜。

それを、すでに映画準備に入っているアノー監督にも押し付けようとしたけど、当然アノー監督は突っぱねる。
映画化をめぐり二人の間にはかなりの確執があったようだ。

ジャン=ジャック・アノー監督の映画「愛人/ラマン」はもう何度観たことか。
アノー監督の映画を見た視点から、デュラスが映画化を強く意識した本作「北の愛人」を読んでみるのも面白いなって思う。
ちょっと意地悪い読み方かな。

ともかく今は読んでます。
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マチ。
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# by machiiihi | 2013-10-13 13:58 |

Good Location!

すっかり日が短くなってしまった。
これは数日前に撮った写真。
たしか午後6時10分ほど前の夕暮れ。
これが6時を過ぎると真っ暗になってしまう。
もう少し時間が早かったら”暮れなずむ”っていう写真が撮れたのに……
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大阪・天満橋からの夕暮れ時のこの眺め。
季節を問わず、夕陽が沈む前のこんな時間には、私のようなアイフォンカメラではなくって、本格カメラで撮っている人もよく見かける。
Good Location



マチ。
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# by machiiihi | 2013-10-13 06:00 | お気に入り

やっぱり秋

朝夕が涼しくなり、今年のあの暑さもやっと終ったと喜んでいたのに、ここ数日の日中の暑さ。
玄関が東向きの我が家は、朝から朝日がさんさん、おはようさんで、まだまだ朝の通勤時には帽子が手放せない。

でも季節はまちがいなく秋。

チェリーセージの小さな赤い花が清清しくって可愛くって、つい気持ちもやわらぐ。
緑の多い(花が多いと手入れが大変なもので、自然と緑が多くなる…笑)我が家の庭には嬉しい赤。
地植えと、鉢植えが一つ。この秋はこの鉢植えを庭に植え替える…つもり。
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そしてムラサキシキブの赤みを帯びた紫の実。
地植えにしたいけど、さて、何処に植えようかしらと思案中。
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気がつかなかったけどツワブキの花茎が伸びて、もうすぐ黄色い花が咲いてくれる。
肌寒い季節の中でツワブキのきっぱりとした黄色い花はいい。
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ホトトギスも花穂が膨らんできている。
金木犀の花の香りも待ち遠しい。
今年の秋はどうやら短そう。
だんだんと四季がなくなってきている日本の気候だけど、こうして秋の草花が季節を感じさせてくれる。


マチ。
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# by machiiihi | 2013-10-12 06:00 | ステキ!

映画「テイク・ディス・ワルツ」

監督はサラ・ポーリー。
テリー・ギリアム監督の「バロン」(1989年)で子役として出演した彼女がとても印象的だった。
そして「死ぬまでにしたい10のこと」(2003年)ではスペイン・ゴヤ賞脚色賞、そして「あなたになら言える秘密のこと」(2005年)ではゴヤ賞を受賞したイザベル・コイシェ監督の2作品に主演し、監督、そして作品とあわせて女優サラー・ポーリーに改めて注目。
と思っていたら、そのサラ・ポーリーが長編映画監督としてデビュー。脚本も手がけたのが「アウェイ・フロム・ハー/君を想う」(2006年)。
こういう選択肢もあるのかな?って、こういう風に老いを生きれたらって、夫婦のありようというか、文化の違いというか、 老いそして認知症の現実を考えると、彼女の若さにいささかのフラストレーションを感じた作品というのが正直な感想。
そして長編2作目が2011年製作の本作。
監督、脚本そして製作も手がけている。

サラー・ポーリー32歳。
28歳の主人公マーゴを演じるのは撮影当時31歳のミッシェル・ウィリアムズ。
同年代の女性を描き、演じた作品。
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結婚5年目のマーゴ。
子供のいない二人の生活は、どこか恋人気分が抜けきれない結婚生活みたい。
でも日常化した二人の関係には恋愛時代のようなトキメキはなくなっている。
そんなマーゴの前に、トキメキをもたらす男性ダニエルが現れた。
ときめくけど、だめだめと自制するから余計にトキメキがヒリヒリと募る。
夫ルーとの間では味わえないこの痛いほどのトキメキ。
そして、とうとう一歩踏み出してしまったマーゴ。

今の自分を抱きしめたいマーゴと、
今の二人の先に老いた時間を過ごす二人を見詰めているルー。
トキメキがオモイヤリに変り、夫婦二人の時間を紡いでいくそんな絵が見えないマーゴ。

本当は作家になりたいのといいながら、なれない自分はフリーライターをしている。
なりたいけどなれない自分に、心の奥ではずっと欲求不満を抱えているけど、現実ではゆらゆらと揺らめいているだけ。
だから現実の物足りなさに敏感になってしまうのかしら。

そんなマーゴに、ルーの姉でアルコール依存症のジェラルディンが浴びせた辛辣な言葉がちょっと小気味良い。
でもジェラルディンもアルコールに逃げ込んでいる。
どっかで自分を見失ってしまっている女達。

かつて弾けるようなトキメキ一杯でダニエルと乗ったメリーゴーランドにぽつんと一人で乗るマーゴ。
「自分のことは自分で守るんや」…「女系家族」で京マチ子演じる藤代のセリフが頭に浮かぶ。

ジェラルディンを演じたサラ・シルヴァーマン。どの作品で見たんだったかな?って思ったら、彼女、サンダンス映画祭で2回司会をしていたんだ。そこでこのシニカルな毒舌を聞いたんだった!
それからルー役のセス・ローゲンもどっかで見たけどって思っていたら、ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演の「50/50 フィフティ・フィフティ」(2011年/監督:ジョナサン・レヴィン)の製作者でもあり、ガンを宣告され生存率50/50の主人公をユーモアたっぷりに支える友人役として出演していたあの彼! 主人公の母親役アンジェリカ・ヒューストンに負けないどうどうの存在感を見せていた。

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そんなマーゴの揺れる乙女心を演じたミッシェル・ウィリアムズの演技力は今更いうまでもないだろう。
「マリリン7日間の恋」も、相手役のエディ・レッドメインはいいとして、ローレンス・オリヴィエを演じたケネス・ブラナーといい、ヴィヴィアン・リー役の女優といい、脇を固める俳優陣にはブーといいたい作品だったけど、マリリンを演じた彼女の演技にはオスカーとってもいいほどと思う演技。
彼女は大作よりも、どちらかと言うとインディペンデント作品に好んで出ているみたいだけれど、「これぞ!」っていえる作品がそろそろ欲しいところ。


これからも「女性」に拘ってサラ・ポーリーは映画を撮っていくのかしら。
ミッシェル・ウィリアムズがライアン・ゴズリングと共演した「ブルー・バレンタイン」(2010年/監督:デレク・シアンフランス)も恋におちた二人が離婚するまでを描いた作品だけど、「ブルー・バレンタイン」の方が、どうしようもない二人のズレが現実感のある痛さとして伝わってきたけど、サラ・ポーリーの2作品を見た限りでは、ズキンとささる痛みが感じられないなぁ。
本作はウィキペディアによるとコメディ・ドラマのジャンルみたいだけど、それでも痛さのエッセンスが欲しい。
とっても才能があると思うし、もう一つ、突き抜けて欲しい感がある。
同世代の若い女性たちには共感を呼んだかもしれないけど、オバサン年齢の私には映画公開時にもさほど興味もわかず、今回WOWOW放映で観る。

それとも、ちょっとビターなファンタジー映画と思ってみたらいいのかも知れないな。

ともかくも彼女の3作目に期待したい。やっぱり気になる監督の一人でもある。
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「50/50 フィフティ・フィフティ」の映画レビューはこちらのブログを

「アウェイ・フロム・ハー/君を想う」の映画レビューはこちらのブログを

「マリリン7日間の恋」の映画レビューはこちらのブログを

「ブルー・バレンタイン」の映画レビューはこちらのブログを


マチ。
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# by machiiihi | 2013-10-11 06:00 | 映画

オ・モ・テ・ナ・シ

東京オリンピックの招致活動のお祭騒ぎも一段落。
今年の流行語大賞だのと騒がれた「おもてなし」も一段落でしょう。
賞味期限切れに近いかなと一人思っておりますが……。

私、このオリンピック招致のプレゼンの報道をながら族で見ていて、滝川クリステルのこの時は、あらいつもの無味乾燥な喋り方ではなくって、にこやかなことと、横目でみていると(フランス語だから聞いていても分からんから)突然に、ひとさし指で「オ・モ・テ・ナ・シ」で合掌ポーズ。

この言葉聞いてすぐに頭に浮かんだ文字は「表なし」? そした裏があるン? と頭の中で一人で突っ込んで、東北そのままで、東京に建設ラッシュが押し寄せて、招致活動にえらい金使って、安倍総理も乗り込んで…やっぱり表はないけど裏はあるんやと、一人頭の中で飛躍していた私。

で、「「オ・モ・テ・ナ・シ」
なんのこと?
って思ったら、「おもてなし」だったのね。

相手に対する細やかな心配り、気配り、目配り。
そんなんを堂々と恥ずかしげもなく、これぞ日本文化の美学ですって言うところが恥ずかしい。
またまた言葉だけが独り歩きしている。
だから言葉だけで、その気になって「おもてなし」に無頓着になっていく。
そんなん、口に出して言うことか。
「袖振り合うも多生の縁」死語になったナァってつくづく思う日常のシーン。
「オ・モ・テ・ナ・シ」が話題になるたびに一人プリプリ感が募る私。

感動したところあったんですよ。
ロンドン・パラリンピック陸上代表の佐藤真海さんのスピーチはとっても好感持ったし、東京に決まった時のフェンシングの太田君の顔くしゃくしゃの泣き顔に「いい奴なんだ~」って思ったし、なによりも高円宮妃久子さまのにこやかな、それでいて凛とした清清しささえ感じさせる佇まい、そして品の良さが伝わってくる流麗なスピーチ。日本という国を、この国の文化、美学は彼女をみればわかること!と誇らしく思ったほど


さてさて、
「表なし」とこんなおバカな反応したのは私一人?って思っていたら、一作日コンビニでたまたま買ったサンデー毎日(週刊誌なんて滅多に買わないのだけど、時間潰しにと表紙が佐藤浩市だったこれを買っただけのこと)を読んでたら、「今週のBooing」欄で、戯作者の松崎菊也さんが、最後に「表向きは何もないような顔して裏はぐちゃぐちゃ。ははあ、そこで『表なし』かい? 滝川クリステルよ、フランス語でどう言うんだね?」って書いたはるやんか。
おまけに彼女のスピーチの写真の下には、きっちり「表なし?」の文字が!

あは~
私だけやないんや、この反応。
そうやろう、そうやろう。

と、ちょっとご機嫌麗しい気持ちになったひと時(笑)
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# by machiiihi | 2013-10-10 10:50 | 徒然に

映画「地獄でなぜ悪い」

映画監督、園子音といえば、「愛のむきだし」や「冷たい熱帯魚」、「ヒミズ」では主演の二人がヴェネチア国際映画祭で新人俳優を対象にしたマルチェロ・マストロヤンニ賞の受賞で話題にもなった。今注目の映画監督と言えるでしょうか。
邦画はあまり見ない私に、映画大好き友人が「園子音の『愛のむきだし』良かったよ」って言われても、どうも私の胸にコツンと響いてこなかった。
テイストが合わないといってしまうと身も蓋もないのだけれど、園子音監督作品は一本も見てない。彼の作品の予告編を見ても、なんか、顕微鏡で痛みの部分をぐ~んと拡大し、そこを映像の世界で押し広げているようで、「そこまで意味もたすことないだろう」という感覚が頭を占有してしまう。

で、今回の作品はちょっと今までのとは異質な作品で。
夏バテ気味か、ここんとこ週末の映画館通いもご無沙汰が続き、久々に映画を見ようかと、公開中の作品を見渡して、ブラックユーモアっぽいみたいだし、少なくともどっと疲れる映画ではないみたいだし(夏バテ気味なので頭と胸が疲れるのは無意識に避けているこの頃)、かつ時間の折り合いがつく本作を見ることに。
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園子音監督、次々と話題作、問題作を発表し続けて、いささか映画作りにフラストレーションたまって、たまりにたまったガスをここで一気に爆発させた? 撮りたいことを撮りたいように撮る! そんな風にしてできあがった映画…そう思う。
ずっとずっと若い時、映画大好き少年で、映画作りたい作りたい、いい映画作ってアッと言わせたい、そんなバカみたいに一途に映画つくりしていたそんな熱く純な自分を取戻すべく、仕切り直しの本作。

そう、映画作りに行き詰まったフェデリコ・フェリーニが「81/2」を撮ったように、園子音は「地獄でなぜ悪い」を撮った。
本作見終わってそう思いました(作品レベルは違うけどネ)。

「一生に一つだけ、本当にいい映画を作るんだ」
「いい映画が撮れたら、死んでもいい」
自主制作映画集団「ファック・ボンバーズ」率いる永遠の映画少年である平田は、10年間、飽きず負けず挫けず言い続け、10年経っても映画作りに闘志を燃やし続けている。
映画に夢中だったあの頃。
脚本はそんな20年前に手がけていて、こんな映画を撮りたかったんでしょうね。
次にどっち向いて映画作るんだって思った時に、映画に夢中になっていたあの頃、映画づくりの原点に戻るという意味で、弾けるような、本作を撮ったんじゃないかな?


本物のヤクザ同士の抗争現場を舞台に映画を撮るという前代未聞の映画制作。ファック・ボンバーズ4人のメンバーの内カメラマン2人も撮影中に銃弾浴びて死んでしまうわ、それでもカメラを握っているという感動。
主役も脇役も抗争が始まったらハチャメチャで、俄仕込みの映画スタッフはみんなヤクザだから彼らも途中で死んじゃうわ、でもみんな死ぬ気で、そして本当にみんな死んでしまって、そして、血まみれのフィルムを抱えて、血まみれの平田が映画を撮った喜びに歓喜絶叫しながら夜の町を走り続ける……。


ファック・ボンバーズの活動拠点(といえばカッコいいけど…)にしている単館劇場なんか、大阪・十三の「第七藝術劇場」みたいだし、フィルムが回る映写室や、ミッキー・カーチス演じる老いた映写技師なんかみていると、映画って、映画作家だとか映画はアートとかっていうよりも、もっと職人世界、いわゆる映画屋なんだ!ってしみじみ思う。

作品は、途途中ちょっともったり感なんかもあったりしたけれど、そんなアホなと思いながらも、でもテンション下がらず、かつ、リラックスして楽しませてもらい、総じて面白かった。

ヤクザの親分の女房役の友近が、家に乗り込んできた抗争相手のヤクザを出刃庖丁もって、街中追い掛けてぶった切るという、腹の据わった女の迫力をみせてくれたシーンが結構お気に入り。
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さて、本作の後、園子音はどんな映画を撮るんだろう。
今までの彼の作品を観てみようかなって気になった本作。

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マチ。
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# by machiiihi | 2013-10-09 07:00 | 映画