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マチの、映画と日々のよしなしごと

machiiihi.exblog.jp

映画「白鯨との闘い」

原作はナサニエル・フィルブリックの「復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇」。
監督はロン・ハワード。
前作の、F1世界選手権でのジェームス・ハントとニキ・ラウダのライバル関係を題材とした「ラッシュ/プライドと友情」も良かった。
この作品で、それまでマイティ・ソーのマッチョ俳優ね、って横目で見ていたクリス・ヘムズワースを見直した。
その彼と再びタッグを組んでの本作。
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本作では捕鯨船江セックス号に乗り込む、叩上げの海の男を演じる。
他にキリアン・マフィ、そしてエセックス号で起きた実話を元に、「白鯨」を執筆したハーマン・メルヴィルに ベン・ウィショーなどなどキャスティングモ魅力。



油田が発見される前、鯨油は人々の生活に欠かせない重要な資源。
巨大な鯨油は巨万の冨を生みだす宝庫。
貪り食うように、捕鯨船は大海原をどこまでも鯨を追い求める。
そして木の葉のようなボートを繰り出し、銛を突き刺し鯨を拿捕する。

エセックス号そして乗組員達を襲った悲劇、彼らが味わった苦しみは、人間の貪欲さ、傲慢が生み出したものか。

荒れ狂う海
抗う海の男たち
彼らに襲い掛かる巨大な白鯨
大海原で凄まじく壮絶なドラマが繰り広げられる。
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彼の作品をみて、いつも思うんだけど、失礼ながら、ロン・ハワードの、あの貧相な体躯とご面相のどこから、あれほどの迫力あるダイナミックな映像と、深みのある人間ドラマが生み出されるんだろうと思う。


本作でも、観る者の目を逸らさせない映像はさすが。

なんだけど、
映像の凄まじさと比べて、ドラマとしての生々しさには、今ひとつ、踏み込みが足りない感を覚える。
文春シネマチャートで森直人氏が「安定したクラシックな作りだが、やや堅い。地獄模様に文芸色のフィルターが掛かる。生真面目にマナーを守り過ぎたか。」ってコメントにも肯いてしまうなぁ。



Machi。
# by machiiihi | 2016-01-26 09:54 | 映画

映画「ザ・ウォーク」

1974年にワールドトレードセンターのツインタワーに非合法でワイヤーを張って綱渡りをしたフランスの綱渡り大道芸人フィリップ・プティのノンフィクション『マン・オン・ワイヤー』を原作とした作品。


数年前にプティの人間業とは思えぬこの綱渡りを描いたドキュメンタリー映像「マン・オン・ワイヤー」は見ていたから、あえて実写版はどんなかなって思っていたけど、
プティ役をお気に入りのジョゼフ・ゴードン=レヴィットが演じるとあって
予告編でも、草食系軟弱モード的飄々さはそのままに、なかなかに引き締まった面も見せていたもんだから
映画「ザ・ウォーク」_b0309033_9502447.jpg

ただ、3D映像ってのが
どうも3Dメガネって映像が暗いし、見づらいし、疲れるしいささか引っかかったけど、
ジョゼフ・ゴードン=レヴィット君を観に行こう!で映画館まで足を運んだ。

今は無きワールドトレードセンターの屋上から眺める景色とか、ツインタワーを渡るシーンってのは3Dならではのりアル感。
高所恐怖症の人はこの映像ってどうなんだろう?って思ったほどの視覚映像。
オスカー期待しそう。
ワールドトレードセンターが確かにあった時、エレベーターで展望台まで昇ったことがあるだけに、
タワーのてっぺんが見えなかったけど、それでも下から見上げてことがあるだけに
あの高さを体感していただけに、
3Dが見せてくれるこの映像はなかなかのものでした。

映画「ザ・ウォーク」_b0309033_9493828.jpg


非合法で建築中のビルに忍び込み、警備員の目をかいくぐって、二つの塔にワイヤーを張っていくシーンとかはドキュメンタリー作品には無かったシーンやエピソードなどもじっくり描かれていて、どうなるんだろうってハラハラドキドキさせられてしまった。
警備員に挟まれて行きつ戻りつの綱渡りシーンなどなど、終盤はなかなかに見せてくれた。

ただ見ている私は、数年前に見た「マン・オン・ワイヤー」の映像がどうしても頭の中で重ね合わさってしまい、プティのやらかしたあの超人的映像を見ていたから、だから、今回の実写版も面白いと思ったけど、この作品だけ見たらどうなんだろうな? って気もする。

やっぱりこの作品はドキュメンタリー映画「マン・オン・ワイヤ」とワンセットで見たら更に面白い作品であるのは確かね。

でもプティ役のレヴィット君。
彼の、緊張感はあるけれど、余計な気合の入らなさ加減が、プティと重なってちっとも違和感なくって良かったです。
綱渡りもプティ本人から指導を受けたんだそうで、練習8日目にして綱の上を補助なしで歩けるようになったとか。
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Machi。
# by machiiihi | 2016-01-25 09:50 | 映画

今朝の寒さ

西日本に記録的寒波が……
とかって言われて、沖縄や九州などの雪が降ってる様子とかが映し出されていたけど、
大阪の私が住んでいる辺りは、確かに気温は、寒いというよりも冷たい。
でも朝起きても雪は降ってもいなかったし、積もってもいなかった(昨晩の寒さに多少は期待したんですけどね。
カーテン開けたらまっ白くきらきら光っている!って光景を)

洗濯物を干したら、洗濯物がぱりんぱりんに固まっていく。
こんなのはこの冬始まってから始めて。
でも、
冬の朝って、こんなもんだったよね。
洗濯物干したら、パリンパリン。
ずっと前は。


朝、駅まで自転車走らせて、
久しぶりに
冬の冷たさ体感。

Machi。
# by machiiihi | 2016-01-25 09:16 | 徒然に

再び「暗殺・リトビネンコ事件」

昨晩から今朝にかけて報道されていた「殺害にプーチン氏関与の疑い」のニュース。


「殺害にプーチン氏関与の疑い 英報告書にロシア反発
イギリスに亡命したロシアの治安機関の元職員が10年前に放射性物質によって殺害された事件を調べてきたイギリスの調査委員会は、プーチン大統領が事件に関与した疑いがあるという報告書をまとめました。」というもの。

→こちらの記事

もう8年前になるんですねぇ。
2008年2月に観たドキュメンタリー映画「暗殺・リトビネンコ事件」がそう。

ずっと調査されていたんですね。
この事件も含め、イギリスとロシアの関係
どうなるのでしょう。
ネットやメディアを通しての情報だけですが、見ていきたいものです。

Machi。
# by machiiihi | 2016-01-22 16:03 | 映画

ピエール・ルメートル著「天国でまた会おう」

読み終わったのではなくって、上巻の半分まで読み進んだだけなんですけどね。
物語ののっけから、どんな展開になるんだろうと、ワクワクしながらも、じっと成り行きを見続ける、いや、読み続けています。


「その女アレックス」で、まさに、アレックスという女性が、章を追うごとに異なる様相をみせる。
まさに「その女アレックス」
大逆転ミステリーとかどんでん返しとかって言うよりも、読み手の常識、イメージが章が変るたびにビリビリと剥がされていく。
いや、カミーユ・ヴェルーヴェン警部がアレックスの悲劇を闇の底から掬い上げる。
そのアレックスの事件に関わる数年前、カミーユ・ヴェルーヴェン警部が関わる猟奇殺人事件と彼を襲った悲劇を描いた「悲しみのイレーヌ」。

殺人事件を描いた内容であるにもかかわらず、人生の機微を知った者が醸し出せる味わ深ささえ覚える、フランスの遅咲きの作家ピエール・ルメートルの作品にすっかり嵌まってしまって、三冊目に読んだのが「死のドレスを花婿に」。
これは面白かったけど、ちょっとこじつけっぽい所が感じられて、「悲しみのイレーヌ」から「その女アレックス」に行く途中段階の作品かなっていう印象を受けた。
で、勝手なもので、そろそろどんでん返し的展開ももういいわって思っていたら、次に手にしたこの「天国でまた会おう」は、今までの3作とは異なる様相。

おっ!と嬉しくなった第一印象。
ピエール・ルメートル著「天国でまた会おう」_b0309033_10384439.jpg


時は第一次大戦終結直前の1918年11月。
塹壕戦真っ只中から物語は始まる。
一番の主人公とも言うべき兵士アルベール・マイヤール。
そして彼を救ったもう一人の兵士エドゥアール・ペリクール。
裕福な家庭に育ち画才に恵まれた彼だが、塹壕戦の真っ只中で生き埋めになっているアルベールを救ったために砲弾で顔が破壊されるほどの重症を負ってしまう。
そしてこの二人と深く関わるプラデル中尉。
とりわけ戦場でのプラデル中尉の卑劣な行為を知ったアルベール<そのために生き埋めという災難にアルベールは襲われるのだけれど>は、またしても一生立ち直れないほどの恐怖を彼によって味あわせられるようだ。

ざっくり言うと、戦後を生きるこの3人のドラマなのだけれど、やはり読み手の予想を覆すような、思いもよらない、事実は小説よりも奇なりと言わせるほどのドラマを、この作品で描きあげてくれそうな、そんな予感をじわじわと感じながら、目下、ちびちびとではあるけれど夢中で読み進んでおります。


Machi。
# by machiiihi | 2016-01-20 10:39 |