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マチの、映画と日々のよしなしごと

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Netflix配信・中国映画「僕らの先にある道」

久々のマイ・ブログ。
ツイッターでも「良かった~」って呟いたけど、
この作品に関してはツイッターではちょっと言い足りなくって……


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久々に胸かき鳴らされた作品。
監督はレネ・リウ。
台湾出身の女優で、allcinemaでみると本作が初監督作品みたいな。
原作も彼女でしょう。
エンディングで原作・レネ。・リウ「年越しに、帰省する」とあった。


二人の出会い、そして地方から北京にやってきた二人の出会い。
何も持たない彼らが、成功を夢見て、若さのエネルギーでがむしゃらに生きていた彼らの時間。
明日を焦りすぎて、愛がすれ違って、自分しか見えて無くって、相手を傷つけてばかりいた彼らの若かった時間。

「君のために天に昇って月を取る」

そんな二人の時間を、
幸せを追い求め
焦りすぎて
互いに傷つけあい、
後悔だらけだった僕らの時間。
そんなかけがえのないあの時間を、繊細なまでに瑞々しく描き上げた「僕らの先にある道」


チョウ・ドンユイ演じるシャオシャオの夢は、北京国籍の男性と結婚する事。家を持つこと。
そんな所に、中国と言う国に生きる厳しさを知る。
地方出身は何処までも地方出身者なのだろう。

北京で暮らす彼らの時間
そして
正月で帰省する地方での彼らの時間


原作「年越しに、帰省する」
映画を見終わると、この言葉が胸に静かに沁みてくる。
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主役の二人。グッドキャスティング!

チョウ・ドンユイは私の中ではとっても注目している若手の女優さん。
「サンザシの樹の下で」「七月と安生」そして我らが金城君と共演した「恋するシェフの最強レシピ」、そして本作。
まだまだ未知数の味が隠されているような、彼女の出演作品は期待したい。

そしてジエンチンを演じたジン・ボーラン。
彼は、「モンスター・ハント」で初めて知った男優。
本作でも好感度アップ。
彼の作品をちょっと追っかけてみましょう。


シャオシャオに宛てたジエンチンの父親からの手紙。
そしてゲームクリエイターのジエンチンが、彼の製作したゲームの物語に込めた思い。

そして、エンディングの最後に描かれた言葉
ごめんの一言は大切な人を失う間に
愛してるの一言は、まだ間にあううちに
いやぁ、最後の最後まで胸深く沁みこんできた作品。
それに、
エンディングも映像作品なんだ!
クレジットの最後まで、音楽が終わる最後まで、映像の最後も最後まで、監督の思いがギュッと詰まった作品。
きっと劇場に観に行ったら、劇場の照明が点くまで付くまで、スクリーンを眺めながら、二人の、痛くて、苦くて、優しくて、甘くて、やっぱりキラキラ輝いていてかけがえのない物語を、じっくりと味わいながら至福の時間を過ごせるでしょうねぇ。

まぁ、ネットフリックスのオリジナル作品だから、劇場公開は今後も無いでしょうね。



machi。

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by machiiihi | 2018-07-18 10:36 | 映画

中国映画「モンスター・ハント」

中国では2015念に公開された映画。
中国では過去最高の公共収入だったとか。
続編はトニー・レオンも出演で中国国内では公開されているとのこと。
SNSで広まった情報によると、一作目ほどではないそうだけど、
妖怪の子供フーバーが可愛いから、日本で公開されたら、多分観に行くだろうな。
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こんな映画知らなかったけれど、叔母が「瑯琊榜」以降すっかり中国ドラマに嵌って、次に見た「孤高の花」で主演のウォレス・チョンにすっかり嵌ってしまって、
そんなドラマでは誠実一筋の役が多いウォレス・チョンが悪役で登場しているってんで、
先日アジアドマラチックTVで放映されていたので、叔母にどんな映画か教えてあげるために本作を見る。

思わず笑ってしまった。
もっとハチャメチャかと思ったら
そうでもなくって、
媚びた笑いやジェスチャーが無くって
これ、結構クォリティ高いぞ。

監督は「シュレック3」を演出した香港出身の監督ロマン・ヒュイ。
美術監督には、種田陽平。

詳しくはこちらで→

そして




Machi。



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by machiiihi | 2018-04-20 15:54 | 映画

すっかりご無沙汰のブログ~あれやこれや

1月末からとんとご無沙汰。
その間にも「スリー・ビルボード」見て、フランシス・マクドーマンドとサム・ロックウェルのラストのツーショット。これだけでも十分な幸せ。観ながら、テーマは違うんだけどポール・ハギス監督の「クラッシュ」に似ているなって思ったら、この監督も脚本家出身だったのね。それでかな。
こレはオスカー有力候補だわねって思ったけど、

「シェイプ・オブ・ウォーター」公開すぐに観に行って、
翌日、会社で「この作品にオスカーあげなかったら、アメリカアカデミー協会もだめだわ」って息巻いてたら、
オスカー獲っちゃった!

金城くん映画はともかくも観る!
「恋するシェフの最強レシピ」
40歳になっても期待を裏切らない金城くん!
金城君はやっぱり金城君。
こんな役、こんな雰囲気でこなせるのは金城君だけ!
(どんなだ?って思う方は映画見て、公開終了したらDVD見て)


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相手役のチョウ・ドンユイ。
1992年生まれの20代。
対する金城君1973年生まれ、
「サンザシの樹の下で」の彼女しか知らず、線の細い素朴そうな子ってイメージ。
年齢的にも雰囲気的にもどうかなって思っていたけど、
映画見る前に彼女主演の「七月と安生」が2017年アジア映画祭でABC賞受賞ということで、朝日放送で放映されたのを見た。
この子、若いのに変幻自在な曲者だわって感心しきり。
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案外と金城君との間で予想以上の化学反応が起こりそう!
そんな期待をさせてくれたチョウ・ドンユイ。
いやぁ。ほんとコミカルで素敵なラブ・ロマンス作品!
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それから
中国テレビ「瑯琊榜」を見てからすっかり中国ドラマに嵌ってしまって、
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続編の「瑯琊榜~風雲来たる長林軍」を衛星劇場で見ている。
オプションチャンネルだし、これ以外、食指が動くようなドラマもないので、登録は止め!って決めたのに、やっぱり視聴申込してしまった。これ一作だけでも見ごたえありで、次の放映がどうなるか、どこの局でか分からないから、まぁ私へのご褒美と言うことで。
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製作費の桁が違うみたいで、映像スケールも、映像美術も、衣装も、
下手な映画見るよりもよほど見ごたえがある。
一作目も、続編の本作も音楽が素晴らしいし、主題歌がどちらも胸に染みわたる。

一作目 主演の胡歌が歌う主題歌



2作目 主題歌
こちらもクセになりそうな……



叔母がこれで主役のウォレス・チョンに嵌った、目下、BS12とCS局で再放送中の歴史ドラマ「孤高の花」の音楽も素敵。

霍尊が歌う主題歌。
彼の声が素晴らしい。
男性とは思えない澄み切った声。
聞き惚れます。





男女デュオの挿入歌も頭の中でずっとリフレイン。



『孤高の花」のエンディングは叔母お気に入り、主演のウォレス・チョンが歌っている。
中国の俳優って歌も上手な方が多い。


中国ドラマを通して。中国と言う国の歴史と文化の奥深さ、国土の広さを改めて実感。
日本のドラマがやけにせせこましく小さく見える。
なんせ、男優は180cm以上、女優も170cmあたりが時代物の衣装着て動き回っても映えること。
韓流ドラマがやけに安っぽく見えてくる(そうじゃないドラマもあるんよ)。
中国ドラマの美男美女を見慣れた目で、たまに韓流ドラマを見るとみんな整形顔に見えてくる。

そんなこんなで(どんあこんなか分からないけれど)、
ブログで文章綴るっていうエネルギーがちょっと希薄になって、
言いながらたまにきてこんだけ綴って、何言うてんねん、なんですけどね。
最近はもっぱらSNSでひとり言呟いてます。

SNSとブログと相互に行き来出来ればいいんだけど
そこまで器用でも、マメでも、熱心でもないもんで……

呟きにフラストレーション起こしたら、
またブログの窓を開けに来なければ~って思うんでしょうね。


Machi。


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by machiiihi | 2018-04-20 13:39 | 徒然に

映画「神なるオオカミ」

監督はジャン=ジャック・アノー。
ショーン・コネリーのいぶし銀のような渋さが光る「薔薇の名前」、そして見るほどに胸にさらに深くしみこんでいく「愛人/ラマン」、それから「セブン・イヤーズ・イン・チベット」、狙撃手ジュード・ロウのグリーンアイが美しかった「スターリングラード」もこの監督の作品。
ジャン=ジャック・アノー監督作品にはお気に入りが多い。
脳裡に焼き付いているシーンもいくつかある。
動物を描いた作品も忘れ難い。
「小熊物語」
それから、幼い頃、人間の手によって離別した二頭のトラが成長し、互いに戦うべき相手として闘技場で再会した兄弟虎を描いた「トゥ・ブラザーズ」
何度か機会あれば見直すけれど、その度に「いい映画ねぇ」としみじみ思う。
熊でも虎でも子供のころのまるっこくって無邪気な姿を見せられたらねぇ……参ってしまいます。

そして本作では、オオカミの子供を育てる青年を描いている。
日本での劇場公開が見送られた映画を上映するイベント「未体験ゾーンの映画たち」の2016年で公開された作品。
予告映像はこちら
私はフー・ゴーからアリエル・リンへ追っかけ関連でウィリアム・フォン主演の本作を知って、アマゾン・プライムで視聴。
映画を見て、原作を読みたくなった。
映画邦題は「神なるオオカミ」
これは中国国内のポスターでしょうか。
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文化大革命の時代の内蒙古が舞台。
1967年、文化大革命の下放政策により内モンゴルにやって来た知識青年を通して、その地に生きる狼と、草原の遊牧民たちを描いた作品。
狼を崇拝し、自然の摂理を重んじ、狼たちと共生する遊牧民たちの、彼らの中に脈々と受け継がれている精神世界。
しかし政策という名の下で、人と動物と自然と共に生きる彼らの世界が引き裂かれる。

映画は、都会からやってきた青年が、保護しこっそりと育てる幼い狼との絆を軸に描かれているが、
原作はおそらく中国体制に対する強烈な批判精神に充ち溢れているだろうとは、映画を通しても容易に推測される。
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原作者は姜戒(ジャン・ロン)
文化大革命時は大学生で、1967年に知識青年として内モンゴルのオロン草原の村落に下放され、そこで11年間暮らしたとのこと。
その時の体験をまとめたものが本書。
ウィリアム・フォン演じる主人公の青年がジャン・ロン自身といえるだろう。

都会からやってきた青年は漢民族
遊牧の民とは異なる民族
そんなセリフも端々に出てくる。


原題は「狼図謄」
「図謄」はトータム或いはトーテム。日本語では部族、血縁(血統)の意味となるだろう。
遊牧民の長老が、狼を見習えという言葉がある。
我々の中には狼の血が流れているという。

これがジャン・ロンの描かんとする壮大なテーマの一つだろう。

国内での刊行は2004年。
その後、海外翻訳も次々となされ、中国(中華民国)建国後最大の著作物輸出作品となったそうだ。
中国で発売された原作の表紙
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映画は、
オオカミと遊牧民たちの、生き抜くためのすさまじい攻防を描いた映像は、さすがです。
アノー監督は本作の撮影までに7年の準備期間を経、35頭の狼を育てて飼いならすのに3念を費やしたそうで、撮影終了後、狼たちは調教師の手でカナダの野生動物園に映されたとのこと。


これはこれで映画作品としては完結しているだろう。
ただ、私としては、映画から零れ落ちたであろうものを、
ジャン・ロンが語らんとしたものを
原作を読んでみたいと思った。


アマゾンにて取り寄せ中。

原作では青年と狼の別れはドラマチックに描かれているけれど
原作では違うようだ。


映画を見て原作を読みたくなった。


Machi。


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by machiiihi | 2017-11-06 14:37 | 映画

映画「捜査官Ⅹ」

すっかりはまってしまっている中国ドラマ「琅琊榜」の主人公・林殊こと梅長蘇を演じた胡歌(フー・ゴー)
金城武を柔らかく端正にした感じだわねぇってところから、最近お見かけしなくなった金城君を懐かしく思うこの頃。
金城君って、出演作品やインタビュ―での受け応えを見ていると、例えていうなら院半年働いて半年寝て暮らすみたいな、どこか世俗の物欲とか名声とかに捉われないようなお方みたいだから、作品選びもヒット期待できる作品よりも自分の興味や感性に合致する作品を選んでるんでしょうね。業界ずれというか芸能界ずれしていない人って気がする。
「恋する惑星」の失恋男も初々しくって、
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ヒット作ではなかったと思うけど、恋人を亡くした女性を空から見ていて、慰めたくって天空の穴から地上に落っこちた天使を演じた「ラベンダー」とか、
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一目ぼれ同士の男女が、壁一枚隔てただけの部屋に住みながら、別々の門から左右に分かれて出ていくからずっと出会えずにいて、そんな二人がラストでは……
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ほのぼのとしたラブストーリーの、飄々とした雰囲気の彼が結構気に入っている。
鳩を相手にヴァイオリンを弾いて、弾き終わったら恭しくお礼のあいさつをするのが絵になるのは金城君ぐらいじゃないかな。
で、台風通過で必要以外は出歩かず家にいた週末。
そうそう金城君作品を見ましょうと、
何が見たい?って頭にすぐ浮かんだのが、スクリーンで見た時はさほどの印象もなかったけど、なんか気になっている「捜査官Ⅹ」をもう一度観ましょうと、ネットフリックスとアマゾンプライムを検索したらネットフリックスで有りました。

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2012年公開の作品
「捜査官ⅹ」って言う邦画タイトルには、能がないわねぇって苦笑するも、
そんなことはどうでもいいか、金城くん映画だからって思えるのが金城武。
金城君が捜査官を演じる作品!
諸葛孔明を演じたレッドクリフではあんまりオモシロなかったから、
今回のは予告映像とか見ると金田一耕助か刑事コロンボか、
ひたすら事件の真相に迫らんとする捜査官Ⅹことシュウ・バイジュウ
金城君主役の映画!って思って見ていたら、


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後半からは紙職人ジンシー役のドニー・イェンのアクション炸裂で、
ドニー・イェンの映画だったの?!って
そうなん?って、頭の切り替えできないままに
物語は一気に終盤に。
そして極悪組織「七十二地刹」の教主と、教主の息子で、極悪組織から抜け出さんと、紙職人ジンシーとして家族とひっそりと暮らしていた息子タンロンとの壮絶なる死闘に
あれよあれよと見てる間に、
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「ラスト・コーション」でトニー・レオン相手に堂々の演技が光っていたタン・ウェイ。
健気な妻役が初々しかった。

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金城君演じる捜査官シュウは、教主に留めの鍼を打ち込むも振り飛ばされて頭打って……
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原題は「武侠」だったのね。

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そうなんや、って、
半分ぎくしゃくしたまんま、
作品のええとこ掴みきれないまんま観終わった作品でもあった。
何見てたんだか、まるっきり掴み切れてなかったなって、今回見直してみてつくづく思う。

タイトルが「武侠」であっても、「捜査官ⅹ」であっても
ドニー・イェン演じるジンシーことタンロン側から見ても、
金城武演じる、法の権化のような捜査官シュウ側から見ても、

極悪非道の世界から、人としてまっとうな生き方をと願うタン・ロンと、
ある事件をきっかけに、本来の優しき己を封じこめ、非情であっても人を信じず法の厳格なる執行者たらんと葛藤を抱えち捜査官シュウと。
背中合わせのようにも思える二人の男。


美しくものどかな山村の風景。
二人の男の抱えるそれぞれの悲哀が見え隠れする。

じっくり観ると
この映画、
人と人との絆
信じると言う事
そして
個と家族、組織、ひいては国家
パッと見は武侠アクション映画の様相をみせながら、なかなかに奥が深い映画とみた。

そして、
こんな金城君も良くって、
やっぱり、見直してみて、やっぱり金城君の映画だったとつくづく思う、というのが私のオチ(笑)
日本人には区別つかないけれど、捜査官シュウは四川省なまりだとか。
四川省鉛の金城君が中華圏では評判だったとか。
例えば和久俊三原作の「赤かぶ検事奮戦記」みたいな……(笑)
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はたまた、こんな胡散臭げな顔の金城君とか、
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自然体みたいな風に役を演じる金城武。
やっぱり稀有な存在だわと思う。


Machi。




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by machiiihi | 2017-10-30 11:21 | 映画

映画「彼とわたしの漂流日記」

日本公開は2010年。
まだ韓国映画にさほど興味をもって映画鑑賞リストに入れていなかった頃。
いやぁ、お茶の間シネマで大いに楽しませてくれたのだから
スクリーンで見たらもっと良かったことでしょうね。

借金地獄の人生に絶望して橋から漢江に飛び込み自殺した一人の男。
しかし運よく可、運悪くか、漢江に浮かぶ無人島に漂着。
泳げない彼のサバイバル生活が始まった。

どっからこんなユーモアが生まれたんだろうと思うほどに、
思わず笑ってしまう無人島での彼の生活。

本当に味わい深い役者さん。
飄々とした役から、武骨な役から、凄味のある役から、静謐な役から……
気負うでもなく、すっとその人物になりきっている。


「さまよう刃」を見たのも
本作を見て、ネットフリックスで彼の他の出演作を検索して。


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そんな彼の姿を
対岸のマンションの一室で引きこもっているひとりの女性が、カメラのファインダー越しに見つける。

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世間からはじき出され、世間との関わりを拒んだ「彼」と「わたし」の奇妙な出会いが始まった。
そして、
なんて優しく心が仁割温まる力を与えてくれるラストシーン。
これは是非見てほしい作品。

こんな素敵な映像を生み出せる国民なんだって実感。
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マチ。


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by machiiihi | 2017-05-22 16:32 | 映画

映画雑感~「さまよう刃」

先日見た韓国映画「トンネル」の感想の最後に、
韓国映画をみていると、日本映画がとっても不必要に冗長過ぎて、説明過多、感情的に喚きすぎって思う。
って書いて
映画「さまよう刃」のことも書いたけど……
やっぱりこれは別記事でアップした方がって思ってこちらに移動。
映画の内容については書いてないけど思ったことをちらちらと書いてみる。

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先日お茶の間シネマで
東野圭吾原作の映画「さまよう刃」を見た。
日本と韓国どちらでも映画化されていて、見たのは韓国映画の方。

日本映画は娘を殺された父親役に寺尾聡。
きっと彼の演技は感情を抑えた素晴らしい演技だろうなって思うけど、
韓国版「さまよう刃」を見た後だから、つい比べてしまう。
日本版の冒頭シーンで「あっ、これは違うわ」って思ってスルーした。

韓国でも東野作品は人気なんでしょうか。
日本でも映画化されたものが韓国でも映画化されている。
「白夜行」「容疑者Ⅹ」そして「さまよう刃」

好みとかもあるだろうけど
私的には3本とも韓国版の方が面白い。
かなり脚色しているには韓国版の方で、日本版の方が原作に忠実に映画化してると思う。
けれど、
原作が醸し出す空気、表情がひしひしと伝わってくるのはなぜか韓国版の方。


一概には言えないけど
日本映画って状況を描き、
韓国映画って人にとことんフォーカスして、人間を描いている。
そう感じるなぁ。


「映像で語る」ということにこだわって映画を作っているなって思うのが韓国映画。
そう思うな。
映画雑感だったかな。



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マチ。


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by machiiihi | 2017-05-20 13:00 | 映画

映画「トンネル~闇に鎖(とざ)された男」

叔母と洋食屋さんに行ったその前に見た映画が、公開初日の韓国映画「トンネル」
サブタイトルは「闇に鎖(とざ)された男」

上映館はシネマート心斎橋。
「トンネル」を見そう出ない女性客が多いなぁって思ったら、もう片方の劇場でイ・ジュンギ主演の「シチリアの恋」が上映されていて、女性客は皆さんそちらの方に。
「トンネル」上映のこっちは男性客が目につく。

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手抜き工事が原因で、崩落したトンネルに閉じ込められてしまった男。
その妻。
そして救助隊の隊長。
この3人が主な登場人物

その他
無責任に群がる報道陣や人命第一とそろばん勘定の二枚舌の政府官僚たちの姿をシニカルに描き、
絶望的な状況ながらもユーモラスなシーンもあり、

主演のハ・ジョンウ
妻を演じたペ・ドゥナ
救助隊長役のオ・ダルス。


役者が揃ってる。
みんないい大人の顔してる。
韓国映画をみてると
ほんと
つくづく思う
大人の顔しているなって。
だからかな、映像にとっても説得力が生まれる。

トンネルに閉ざされた妻を演じたハ・ジョンウはもちろんだけど、
妻役のペ・ドゥナがとりわけ良かった!
もともと彼女が醸し出す空気感が好き。
雰囲気とも違うし、オーラといった強さとも違う、
空気感。

改めてこの映画でも、彼女から静かに放たれる
存在を感じさせない、
それでいて彼女の一つ一つの動きや、彼女がみせる何気ない表情が、映像を見る者の目にしっかり刺さってくる。
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ラストシーンの、ちょっと短めのカーリーヘアーのベ・ドゥナの晴れ晴れとした可愛さったら!
ハ・ジョンウ、オ・ダルスそしてぺ・ドゥナ。
この3人の役者が見事に化学反応して生まれたこの作品。
犬君もいい味出してた。

テーマや内容は違うけれど、
主人公の置かれた絶望的な状況、
無責任に人道主義を唱えるマスコミ
何の役にも立たんUNなどなど
ボスニア紛争を題材にした「ノー・マンズ・ランド」に似ているかも。

マチ。







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by machiiihi | 2017-05-13 22:00 | 映画

映画「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」


2007年59歳で夭折したエドワード・ヤン監督の「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」

台湾での公開は1991年。
日本公開は1992年。
その後メディア
25年の歳月を経て、4Kレストア・デジタル・リマスター版としてスクリーンに甦った。
上映時間は236分、約4時間。
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1961年に台湾で実際に起きた、中学生の少年による同級生の少女殺害事件をモチーフにした作品。

本作は未見。
今となってはエドワード・ヤン監督の作品が25年たった今スクリーンで観れるということよりも、チャン・チェンが主役の少年を演じ、これが彼の俳優の第一歩となった作品ということで、
14歳のチャン・チェンを見ましょう!ってミーハー的興味も大いに加味されて映画館まで足を運ぶ。
4時間弱、普通の映画2本文と言うことからでしょうか。
鑑賞料金が特典無しで一般料金2,200円。


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 ↑本作のチャン・チェン(撮影当時14歳だったとか)
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↑オムニバス映画「愛の神、エロス」(2004年)~ウォン・カーウァイ監督「エロス    の純愛~若き仕立て屋の恋」のチャン・チェン(26.7歳頃?)
「グリーン・デスティニー」でも「ブエノスアイレス」でもまだまだ青ぐさくって素通りだったチャン・チェンが、コン・リー相手に、青年の初々しい色香と切なさを感じさせ、一気に注目度急上昇。
 
少女役は決まっていたけれど、少年役がなかなか決まらず、
少年の父親役でチャン・チェンの父親がキャスティングされていて、ヤン監督から少年役と同い年の息子のチャン・チェンを紹介して欲しいとの依頼を受けての本作出演だったとか。
演技経験ゼロのチャン・チェン初出演にして初主演映画。
一年間ほど週に数回程度の割合で演技指導みたいな時間をもったそうだ。
彼のお兄さんも映画の中で兄役で出演。


ヤン監督は彼に会ってきっと即決したでしょうね。
監督の演出、演技指導もあるでしょうけど
映画観ていてそう思う。
醸し出す雰囲気、風貌もさることながら、決め手は彼の目じゃないかな。
柔そうに見えてぐっとしたリキを感じさせる目力。
ラストシーンは見せてくれました。
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トイレ休憩無しの4時間弱
途中で眠気が、
一回はトイレ中断が、
って思っていたけれど、

映画はドラマチックな展開ではなく
彼らの日常が淡々と描かれており、
抗争シーンもエキサイティングでもなく
映像もダークトーン
だけれど
トイレも眠気も覚えることなくしっかり4時閑弱、エンドクレジットまで確り観てました。


少年が持っている懐中電灯。
暗闇に、そこだけがぼお~っと小さな丸い光が明るい。
その灯りの中で文字を綴る少年。

少年は闇の中で懐中電灯を点けたり消したりする。
闇の中の小さく弱い光。


一つの時代を
台湾が抱える闇を
そこに暮らす彼れの闇と光
そして
青春という時代が永遠に持ちつづける不安定と一途さ。
そして
どんな時代であれ、生きると言うこと自体が、懐中電灯で照らし出された小さな光を手探りに闇を歩くことと同じではないだろうか。


一つの時代
一つの場所
一つの時間
そこにいた人々が織りなす営み
そして起きてしまったある出来事


しかし時間を経た今、
1人の少年が引き起こした事件は、その少年固有のものではなく、
台湾という国だけが抱える固有のテーマでなく、
人として生きるものの普遍的なテーマ
青春が抱える永遠のテーマが、エドワード・ヤン監督が描いた「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」にしっかりと脈打っている。


この映画の象徴としてある少年が手にしていた懐中電灯。

そしてラストシーンはある意味、衝撃だった。
声を荒げることなく、喜怒哀楽といった感情をほとんど表に出さず、淡々としていた少年が、
警察の一室で着替えを促され、警察官達に強いられた時、
彼は初めて感情をむき出しにして、声を張り上げて激しく抵抗する。


25年を経てこの映画に出合えたことも嬉しいし、
そして
この映画によって
チャン・チェンという俳優が生まれたこともまた嬉しい。


取りとめもなく、
まとまらず、思いつくままに綴ってます。
ちょっと映画に戻って……


映画冒頭で綴られる時代背景。
「1949年前後、数百人の中国人が国民党政府と共に台湾へ渡った。
安定した仕事と生活を求めてのことだった。
未知の土地で動揺する両親の姿に少年たちは不安を覚え、グループを結成し自己を誇示しようとした」


中国共産党が中国本土を完全に支配し、1949年に中華人民共和国を設立。
共産党との政権闘争に敗北した蒋介石率いる国民党は台湾に撤退、1949年12月に台北に新政府樹立。

ヤン監督と同世代の侯孝賢は、日本統治の終わりから国民党率いる中華民国が台北に新政府を樹立するまでを、ある一家を通して描いた「非情城市」を撮っている。
1989年公開の2年前までは台湾はずっと戒厳令下にあった。


1947年に上海で生まれ、2歳の時に家族とともに台北に移住したエドワード・ヤン監督。
この事件が起きた時、ヤン監督も少年とほぼ同じ年齢。
いわゆる外省人と呼ばれた少年の家族、そしてヤンの家族達もそうだっただろう。
少年だったヤン監督もこの事件に衝撃を受けたそうだ。
ある意味では、自らを語り、台湾を語り、時代を語るものとして彼の中で映画化に向けてずっとあたため続けてきたものだろう。


1949年に台湾にきてから12年になる……
少年の父親が、歯がゆさを飲み込みながら口にする言葉
上海では知識人として恐らくは自由闊達に暮らしていたのだろう。
しかし台湾での鬱屈とした暮らし。


少年が家族と暮らす家は、かつては日本人が暮らしていた日本家屋だろう。
日本統治時代の名残りが映像の端々に顔をのぞかせる。


こういう時代を通り過ぎてきたからだろうか、
台湾映画における青春映画って
なぜかノスタルジックで、忘れてしまっていた大事なものを甦らせてくれるような初々しさがある。
少年、少女を演じる俳優の色もあるんでしょうね。


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やっぱり
60年代から90年代にかけての映画っていいなってしみじみ思う。
2,200円出して映画館のスクリーンの前まで足運ぶだけの値打ちもんの本作でした。



Machi。

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by machiiihi | 2017-04-10 16:47 | 映画

映画「アシュラ」


韓国版「アウトレイジ」とでもいいましょうか。
生き残りをかけた血みどろの抗争劇。
そして
誰もいなくなった。
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悪徳市長パク・ソンべが牛耳るアンナム市。
再開発築の利権を巡り、パク市長の悪が渦巻く。
そんな市長の汚れ仕事を一手に引受け、殺人まで手を染めている刑事のハン・ドギョン。
その市長を検察庁送りにするために、ハン・ドギョンの弱みをネタに協力を強要する検事のキム・チャイン、そして実行部隊のドン・チャンハク捜査官。


末期ガンの妻の前では優しい夫の顔を見せるハン・ドギョン刑事。
入院費用を稼ぐ為に、パク市長の手先になり果ててしまったか!ハン・ドギョン。
しかも妻は市長と異母兄妹。
市長と検事の板挟みの崖っぷち。
生来は人情味のあるいい奴だったんでしょうね。
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ハン・ドギョン演じるチョン・ウンソ。
ここまでの汚れ役は初めて?!
43歳。
脂が乗ってきてますねぇ。

   

そんな彼を兄貴と慕う弟刑事のムン・ソンモ。

懐柔策でギョンモが市長の手先に引きずり込んだソンモ。
ギョンモのガキ扱いに刃向って、自分の居場所をつくらんと市長の悪事に自ら手を染めていくソンモ。



一方のキム検事も、ハン・ドギョンから悪事の証拠を手に入れられるかどうか。
上司の至上命令のカウントダウンに彼もまた瀬戸際ぎりぎりに追い込まれている。


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悪徳市長を演じたファン・ジョンミン。
ニコニコしながら、しかし目は冷たく鋭い。
誠実そのもの虫も殺さない優しい男から、極悪人までこの方はほんと化けますねぇ。
役そのものがこの方。
どの作品もそう。


崖っぷちに立った者たちの凄まじいまでのバイオレンス。
この形振り構わぬハイテンション、たたみかけていくハイスピード。
これぞ韓国映画のバイオレンス!
暴力シーンと食事シーンが同じ分量で描かれているのも韓国映画。
生きる為に食べ、そしてなにが何でも生残る。
このエネルギーがスクリーンに充満している。
カーチェイスの迫力ある臨場感は半端ない。

そして終盤
殺し屋たちの手に持っているのは鉈。
韓国映画は鉈なんですね。
殺陣の美学なんぞは蹴飛ばされて、
鉈でぶった切っていくのが韓国映画といっても過言じゃないでしょう。


えげつなさを感じるよりも、生き残りをかけた彼らの死に物狂いの必死さに圧倒されて、ただただスクリーンに釘付け状態。


案外と、ギョンモの弟分ハンモを演じたチュ・ジフンの存在が大きかったかも。
40代男たちの中にあって、30代のジフンの、すっとした所謂クールビューティな風貌が、暑苦しいまでのシーンの溶解剤ともいえるかも。
とはいっても、彼も殺人に手を染めるんですけどね。
そして最後はドギョンとの義兄弟同士のサバイバル。

やっぱり義兄弟の絆も強いんですねぇ、韓国社会では。

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チュ・ジフン君。
今までは身長187の長身とキレイどころの役が多かったけど、
「コンフェッション 友の告白」(2014)は犯罪映画のジャンルだけど、本作のようなバリバリのノワール映画は初めてじゃないかな。
車から突き落とすわ、車を猛発進させてひき殺すわの殺人をやってのけるなんてのも。
「私は王である」なんていうおバカ&コメディ路線系もなかなかのもんだったし(笑)、30代半ばを前にしての本作出演は大きな収穫だったでしょうね。


今までは脳裡に引っかかるほどの俳優ではなかったけど、
本作でちょっとその印象を新たにした。
どこまで化けていけるのか。
ちょっと楽しみ。
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ノワール映画というジャンルで、韓国映画は一つのスタイルを確立しつつあるような……。
そんな凄さを見せつけられた映画でもありました。
「アシュラ」


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Machi。

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by machiiihi | 2017-03-19 20:00 | 映画